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「お年玉」が問うもの(1月12日)

 「お年玉」として私財から一人百万円ずつ、総額一億円をプレゼントする。インターネット衣料品通販大手の社長がツイッターで発表した。年明け早々、世間の話題をさらった。
 募集方法は社長のアカウント(ページ)をフォロー(登録)し、投稿をリツイート(転載)する。手続きは簡単だった。県内でも若者らが応募した。いわき市の二十代女性はインターネットで知った。「友人との話のネタにしよう」。気軽な気持ちで申し込んだ。締め切りまでのリツイート数は五百万件を優に超えた。
 抽選方法は明らかにされなかった。ツイッターでは、既に複数の人が自らの当選と使い道を公表している。「日本の民芸を取材し、日本語と英語で発信する」「シェア(共有)アトリエを制作する」。そんな書き込みを見ると、社長が応援したくなる「夢」があるかどうかが選定基準だったようだ。いわきの女性は夢を書かず落選した。
 第二弾を検討しているという。「チャンスを生かさない手はない」と前向きに見るのか。それとも、批判的なまなざしを向けるのか。賛否はいろいろある。人としての生き方や、お金に対する考え方を試されたような出来事だった。

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