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知財評価書で福島県内初融資 二本松信金、富樫縫製に

 特許庁が中小企業の知的財産(知財)活用に向け作成を支援している「知財ビジネス評価書」を判断材料にした融資が県内で初めて実施された。二本松信用金庫(本部・二本松市、石川憲幸理事長)が、特許技術を持つ二本松市の富樫縫製に運転資金を貸し付けた。評価書は特許庁と提携している専門機関が分析した同社の強みや、特許を生かした事業成長の可能性を総合的にまとめている。同庁は新たな融資の形として、評価書事業の周知に向けた取り組みを強化する。

 知財ビジネス評価書作成と融資の流れは【図】の通り。同庁は二〇一四(平成二十六)年度から中小企業知財金融促進事業の一環で、金融機関向けに評価書を無償で作成し提供してきた。評価書は特許や実用新案、意匠、商標などの知財に精通している弁理士らが対象企業の現地調査や関係者からの聞き取りを基に作成する。会社概要をはじめ、知財を活用した製品の競合他社の存在、販路拡大に向けた課題などを分析する。知財の経済価値を金額で明記する場合もあるという。
 同庁によると、中小企業は従来、土地や建物などの不動産を担保に金融機関から資金を借りるケースが多かった。金融機関が評価書を基に知財の有用性や売り上げ増が見込めると認めた場合、担保なしでも融資を受けられる可能性がある。
 二本松信金は昨年六月、郡山市で開かれた同庁主催のセミナーで評価書の存在を知り、顧客への提案を検討した。介護や農作業で体に掛かる負担を軽減する炭素繊維(カーボン)を用いたワークサポートスーツ「S字の力」で特許を取得していた富樫縫製と協議し、同庁の評価書作成支援事業に応募した。
 評価書を有力な融資材料として審査した結果、ワークサポートスーツ市場の規模は今後拡大する可能性が高く、競合他社が少ない現状を踏まえると同社製品の売り上げは伸びると判断。昨年十二月、運転資金三千万円の融資を決めた。
 富樫縫製は昨年五月に特許を取り、十月から「S字の力」を本格販売している。富樫三由社長(70)は「専門家による評価書は分かりやすく、商談にも活用できるため販路拡大につながっている」と効果を語る。同社は第四回ふくしま経済・産業・ものづくり賞(ふくしま産業賞)では銀賞を受けた。

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