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知財で会津活性化「IT企業の起業」展望 活用プロジェクト

 特許庁が今月から三月にかけて会津、中通り、浜通りで知的財産の普及・啓発に向けて展開する「福島知財活用プロジェクト」第一弾のセミナーは二十二日、会津若松市の会津大講堂で催された。テーマは「Aizu×IT×STARTUP」。パネルディスカッションで知財を生かしたIT企業の起業を盛んにし、会津地方を元気にする方策を考えた。

 久田雅之会津ラボ取締役は特許などの知財について「企業が投資を回収するために重要で、戦略的に考えるべき」と強調し、弁理士ら専門家を活用すべきとした。研究開発には安定した資金が必要だとし、企業の合併・買収(M&A)も一つの方法と語った。シリコンバレーが軌道に乗るには五十年かかるとした上で「ITはグーグルやアップルに匹敵する世界的企業となる可能性を秘めている」と述べた。
 岡裕之会津大上級准教授は「身の回りの情報を意識しするのが大切」と呼び掛けた。佐藤辰彦元日本弁理士会長(ふくしま産業賞選考委員)は「特許情報を解析すれば競争できる分野が分かり、戦略を立てることができる」と指摘した。
 服部靖弘エネルギー・エージェンシーふくしま代表は「会津ラボを例に取ると、会津には優秀な人材がそろっている」と話した。金山信一浪江町企画財政課主幹兼課長補佐は、浪江町が二〇一八(平成三十)年から会津ラボなどと共同で取り組む自動車の自動運転試験を紹介し、「実用化して企業誘致につなげたい」と明かした。

■トークセッションで対談 ソナスの大原氏と特許庁の貝沼氏
 トークセッションで、大原壮太郎ソナス代表取締役CEOと貝沼憲司特許庁企画調査課長補佐が対談した。
 大原氏は東大発ベンチャー企業・ソナスの設立の経緯や同社が開発している無線通信技術などを示した。投資家に特許取得の重要性を指摘されたのを受け、知財活用を強く意識するようになったと語った。「技術を使う相手に会い、話を聞くなど、まずはたくさん行動して」と起業を目指す人に呼び掛けた。
 貝沼氏は特許庁によるベンチャー企業への支援事業「知財アクセラレーションプログラム(IPAS)」を紹介した。「この技術は権利化できないと決めつける場合があるが、さまざまな意見を聞いて視点を変えれば多くの可能性がある」と話した。

■「知財活用へ 熱意伝わる」 嶋野技監
 特許庁の嶋野邦彦技監はセミナー終了後、「さまざまな立場の方に聴講してもらい、知財活用への期待や熱意が伝わってきた。自らの技術をどう社会に役立てるかと真剣に考える人々の思いを大切にしたいと感じた。特許庁として支援を続けたい」と話した。

■「知財が信用に」 貝沼氏が講演
 貝沼憲司特許庁企画調査課長補佐は「なぜ今、“STARTUP×知財”か」と題して講演した。新規起業者の企業価値は知財であり「知財は技術の独占や事業連携、資金調達時の信用につながる」と述べた。
 起業者の知財戦略への意識が高くなく、知財専門家になかなか出会えないのを課題に挙げた。
 特許庁の起業支援策を紹介し「弁理士ら専門家は自らを積極的にアピールしてほしい」と訴えた。

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知財活用について意見交換する(左から)佐藤、久田、服部、岡、金山の各氏
知財活用について意見交換する(左から)佐藤、久田、服部、岡、金山の各氏
対談する大原(右)、貝沼の両氏
対談する大原(右)、貝沼の両氏

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