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ロックの力(1月24日)

 四十五年前の「ワンステップ・フェスティバル」は国内の野外音楽イベントの先駆けだった。一九七四(昭和四十九)年、郡山市の開成山陸上競技場で催された。郡山文化協会理事の七海晧奘[こうそう]さんは振り返る。「ロックで社会を変えたいとの熱意があった」。
 反公害や環境保護をテーマにした。オノ・ヨーコさんら名の知れた演奏家四十一組が舞台に立った。五日間で約七万人が訪れた。「大地を揺るがす強烈なリズム」「火のついたような熱狂ぶり」。当時の福島民報が伝える。主宰者の故佐藤三郎さんと一緒に、運営に携わった。
 刺激を受けたのは、一九六九年に米国で開かれた音楽の祭典「ウッドストック」だった。当初の開催地だった都市から名付けた。三日間で約四十万人の観客が集まった。平和を訴え、ベトナム反戦運動に影響を与えた。今年八月に米国で五十周年の記念コンサートがある。
 ロックには、社会的メッセージや政治に対する批判を歌詞に込めた曲が多い。七海さんは期待する。時代が移り、若者の気質が変わっても、精神は人種や国境を超えて伝わるはずだ、と。世界中で分断が深まる。半世紀たったウッドストックは何を発信するのか。

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