県議補選-南相馬市議選-川俣町長選

新知事に佐藤雄平氏

(11月13日 掲載)

 前知事の辞職に伴う第十八回知事選は十二日、投開票が行われ、無所属新人で前参院議員の佐藤雄平氏(58)=民主、社民推薦=が四十九万七千百七十一票を獲得、無所属新人で弁護士の森雅子氏(42)=自民、公明推薦=に十万票余りの差をつけ、他の三候補にも大差で初当選した。佐藤氏は立候補表明が遅れたものの、豊かな政治経験と県内市町村を熟知した安定感を強調し、幅広い支持を集めた。多くの有権者が、県発注工事をめぐる談合や前知事の収賄などの事件で混乱する県政の立て直しを佐藤新知事に託した。十八年前の知事選では、自民党の分裂で党県連が推薦した候補が敗れているが、自民党本部が公認、推薦する候補が落選したのは昭和三十二年の第四回以来、四十九年ぶりとなった。

森氏に10万票差 投票率58.77%

 知事選には佐藤、森両氏をはじめ、いずれも無所属新人で共産推薦の県労連議長小川英雄氏(57)、元県議の川田昌成氏(63)、発明家の高橋喜重氏(58)が立候補した。

 投票率は58・77%で、史上最低だった前回の平成十六年九月の50・76%を8・01ポイント上回った。今回を含め十八回の知事選の中では、三番目に低い投票率だった。

 知事選史上最多の五人による選挙戦は、事件によって失った県政への信頼の回復が最大のテーマとなった。各候補は県政の刷新や県の入札制度改革などを訴え、十七日間の戦いを繰り広げた。

 投票は県内千四百七十六カ所で一斉に行われた。繰り上げとなった投票所を含め午後八時までには投票を終了。午後八時すぎから県内六十一市町村で開票が始まった。

会津、中通りで強さ 「県民党」掲げ指示拡大

 佐藤氏は地元会津地方のすべての市町村で高い支持を得た。さらに中通りの全市町村で森氏を上回り、順調に票を伸ばした。森氏の地元いわき市はじめ浜通りではリードを許したが、差を最小限に食い止めた。町村の八割でトップの得票を獲得した貯金を大票田の市部でも増やした。

 県発注工事をめぐる談合事件で前知事が引責辞職したのを受けた今回の知事選は、投票まで五十日という期限の中での短期決戦となった。各党の候補者の人選が揺れ動き、佐藤氏が立候補を表明し、実質的に動き始めたのは告示の一週間前だった。

 佐藤氏は知事選と同じエリアとなる参院選を二度戦い、平成十六年夏の選挙で四十四万票余を獲得した実績もあって、終始優位を保った。地元会津では政治の世界の師である渡部恒三衆院議員が全面支援し、後援会組織も引き締まった。渡部氏は過去に自民党の要職を歴任しており、その秘書として活動してきた佐藤氏は、自民支持層の一部も取り込んだ。

 対立候補の森氏を支援する自民、公明の厚い組織を意識して「県民党」を掲げたことも奏功した。推薦する民主、社民の両党は前面に立たずに党組織を動かした。自主投票や選挙へのかかわりを自粛していた農業、建設などの一部は終盤に入って支援に乗り出すなど、表に出ない部分での支持の拡大も見逃せない。

 推薦の連合福島は労組組織の末端まで浸透するまでに時間を要したが、最終盤にようやく回転し始め、追い上げる森氏をかわす原動力となった。相手が女性候補ということを意識し、女性の集いを開き、主婦層などの浮動票の獲得にも成功した。

 森氏は政権与党の自民、公明の全面支援を受けて知名度不足を盛り返した。中盤以降は閣僚経験者や現職閣僚を次々と投入して盛り上げを図り、地元いわきや浜通りの市町村では佐藤氏の得票を上回るなど、善戦した。

 ただ、事件の影響などで自民党所属県議らの動きが活発化しなかった面もあり、最後の伸びが足りなかった。党本部は市町村長や業界、団体に対して働き掛けを強めてテコ入れを図ったが、及ばなかった。

 共産推薦の小川氏は前知事の唯一の野党として、今回の選挙を追い風にしようと戦った。ただ、原子力政策のほかは際立った政策の違いを県民にアピールし切れなかった。元県議の川田氏も県政の刷新を訴えたが、地元の県中、県南の一部の支持にとどまり、高橋氏も支持を広げられなかった。(本社報道部副部長・安斎 康史)

「日本一のふるさと」実現

 佐藤雄平氏の話 県民の皆さんに訴えを理解していただき、温かい支援に、心から感謝している。重責をひしひしと感じている。十七日間の戦いの中で、あらためて県民の皆さんの人間性の素晴らしさをかみしめた。中通り、会津、浜通りの三位一体で地域づくりをし、日本一のふるさと実現に全力で取り組む。福島県に生まれ、育って、住んでよかったと思える県土づくりに向け、衆院議員秘書、参院議員として培った経験を生かし、全身全霊を懸けて頑張る。一日も早く、さわやかで明るい県政を実現する。


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