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(1月12日(土)掲載)
プルサーマルと並び、国が核燃料の再利用の切り札としてきた高速増殖炉。発電をしながら、使った以上の核燃料を生み出す。資源の乏しいわが国にとっては「夢の原子炉」と言われる。
核燃料サイクル開発機構(旧動燃)が福井県敦賀市に建設した高速増殖炉「もんじゅ」でナトリウム漏れ事故が起きたのは、試験運転中の平成七年十二月。昨年六月、国が安全対策に関する審査(安全審査)に入り、五年半ぶりに運転再開に向けて踏み出した。 福井県は国の動きに合わせ、専門家による検討組織「もんじゅ安全性調査検討専門委員会」を昨年八月に設けた。本県のエネルギー政策検討会が始まって二カ月後のことだった。国の安全審査の委員と重複しないように委員を選ぶなど、国とのダブルチェック体制を取った。会合はすべて公開している。 専門委員会は本県の検討会と同じように、手始めの作業として住民から意見を募った。福井県内外から寄せられた約百件の中には本県住民からの提言もあった。意見を課題ごとに整理したうえで、一カ月に一回開かれている。 昨年十月の会合。議論が終わると、座長の児嶋真平福井大学長は傍聴席に向かって「質問はありませんか」と問い掛けた。詰め掛けた県民から「県民の多くは難しい技術論は分からない。情報公開などが安心につながるのではないか」などと声が上がった。県民の見方も論議に受け入れながら、課題の検証が進む。国への提言を目指す本県の検討会とは進め方が大きく違うようにみえる。 「県として独自に判断する能力が必要な時代。できるだけ幅広く議論し、場合によっては、国の安全審査と違った結果が出るかもしれない」。児嶋学長は県民サイドに立った委員会であることを強調する。 「もんじゅ」の事故で通報の遅れなどが発覚、対応のまずさを指摘された核燃料サイクル開発機構。事故後、福井県内の三十五市町村すべてで説明会を開くなど、運転再開に向けて県民の理解を得ようと動いている。 だが、同機構が事故から三年後に行ったモニター調査の結果、九割近くが依然、高速増殖炉に不安を感じていた。国の安全審査、県の専門委員会の結論がどう出るか。内容によっては、県が理解を示すプルサーマル計画の進め方にも影響を及ぼしかねない。
©福島民報社2002
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