二十一世紀に入り、電力を取り巻く環境が大きく変化しようとしている。原子力発電では、プルサーマル計画という核燃料の再利用システムが当初目標より大幅にずれ込み、スタートのめどすら立っていない。国策とされる再利用システムが立ち往生している背景には、現在の態勢に対する不信感とともにエネルギー政策に、より積極的にかかわろうとする立地県の意識の高まりがある。国民生活の基盤となるエネルギー政策の揺れを立地県から問い直す。

 

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使用済み核燃料に苦慮

プルサーマル凍結でいらだち−青森・六ケ所村−

(1月14日(月)掲載)

 「うちの村では使用済み核燃料を受け入れている。プルサーマルを実施しないのなら、使用済み核燃料は原子力発電所内に貯めて置いてもらうしかないでしょう。それが村民感情です」。原子力発電所から出る使用済み核燃料を“痛み”と表現した青森県六ケ所村の橋本政信企画開発課長はプルサーマル凍結へのいらだちを口にした。そのほこ先は、すでに東京電力福島第二原子力発電所から使用済み核燃料を運び出している本県に向けられているようにも映る。
   
 日本原燃は六ケ所村の受入貯蔵施設で、平成十年度から使用済み核燃料の受け入れを始めた。昨年十二月までに四百二十六トンに上る。このうち四割を占める百七十六トンは福島第二原発の使用済み核燃料。全国の原発別では最も多い。
 十二年度末で全国の原発内に貯まった使用済み核燃料は約九千トンになり、毎年約九百トンずつ発生し続けている。六ケ所村に運び込まないと、発電所内の貯蔵施設がパンク寸前の原発も少なくない。
 日本原燃の幹部は「プルサーマルへの対応によって受け入れを差別することはありえない」と明言するが、使用済み核燃料をリサイクルするプルサーマルが長期間にわたって実施されなければ、容量が三千トンの六ケ所村の貯蔵施設での受け入れは、たちまち厳しい状況に直面する。
   

 青森県は国の関係省庁や電気事業者で組織する「核燃料サイクル協議会」を通じ、核燃料サイクルの実現を踏まえたプルサーマルの早期実施を国に求めている。昨年五月の協議会では、木村守男知事が平沼赳夫経済産業相に直接申し入れた。
 「本県は本県の手法で議論しているし、福島県には福島県の議論がある。国に対して節目、節目できちんと物を申すことが大事」。青森県の佐藤光彦資源エネルギー課長は国と地方との対等の関係を強調し、本県のエネルギー対策検討会の議論の行方を注視する。
 ただ、十年七月に青森県と六ケ所村、日本原燃が交わした覚書には「再処理事業の確実な実施が著しく困難になった場合は、(中略)使用済み核燃料の施設外への搬出を含め、速やかに必要かつ適切な措置を講ずるものとする」との記述がある。佐藤課長は「青森県内に使用済燃料を貯め続けることはさせない」と、プルサーマル計画が止まったままの現状にくぎを刺した。

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