二十一世紀に入り、電力を取り巻く環境が大きく変化しようとしている。原子力発電では、プルサーマル計画という核燃料の再利用システムが当初目標より大幅にずれ込み、スタートのめどすら立っていない。国策とされる再利用システムが立ち往生している背景には、現在の態勢に対する不信感とともにエネルギー政策に、より積極的にかかわろうとする立地県の意識の高まりがある。国民生活の基盤となるエネルギー政策の揺れを立地県から問い直す。

 

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知事の”沈黙”に困惑

ようやく意見交換始まる−県議会−

(1月19日(土)掲載)

 県民の代表として県政をチェックする県議会には、昨年二月のプルサーマル凍結表明以来、一年近く“沈黙”を続ける佐藤知事の姿勢を「何を考えているのか分からない」「議論のしようがない」と見る県議が多い。知事の与党が大半を占めるが「(エネルギーについては)支えようにも支えられない」との声も聞かれた。
 県のエネルギー政策検討会には、県議会の担当に当たる企画環境常任委員会メンバーを中心に県議が傍聴に訪れている。昨年のある検討会で専門家の講師と県の部局長による質疑応答の際、古参県議の一人が「質問があります」と手を挙げたが、事務局は発言を認めなかった。この県議は「傍聴席からの発言を許すと、収拾がつかなくなることもあるのだろう」と県の立場に理解を示したものの、わだかまりは残った。
         
 県の検討会が発足した直後に開かれた昨年六月定例県議会。代表質問に自民党改革クラブ幹事長の横山蔵人県議が登壇した。原子力発電所が立地する双葉郡選出の横山県議は「早急にエネルギー政策のあり方を方向性を示すべき」と迫った。
 知事は平成十年八月、県議会にプルサーマル計画について論議するよう申し入れた。県議会は二回の全員協議会を経て同年十月に「計画の導入に特に問題はない」と結論づけた。県議の多くには「県議会の意向は知事の事前了解の判断材料になったはず」との自負心がある。横山県議もそんな思いを胸に、プルサーマル凍結を表明していた知事の真意をただした。
 注目された質問だったが、小山昭企画調整部長が「一年程度を目標に県としての考えをまとめていきたい」と答えただけだった。続く九月定例県議会でも具体的な回答を求める県議の質問に対し県側は「エネルギー政策検討会で検討中である」と繰り返した。
 十二月定例県議会では、エネルギー問題に関する質問は中部電力浜岡原発で発生したトラブルでの県の対応にとどまり、政策論争はなかった。「何を聞いてもあの答弁では…」と中堅県議はあきらめ顔だった。
         
 こうした県議会の雰囲気に配慮してか、知事は年明けから県政与党の四つの会派とエネルギー政策について意見交換を始めた。県議会に対して県側が申し入れて説明する機会は初めて。与党県議の一人は「ようやく知事も県議会に目を向けるようになったか」と受け止めた。

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