二十一世紀に入り、電力を取り巻く環境が大きく変化しようとしている。原子力発電では、プルサーマル計画という核燃料の再利用システムが当初目標より大幅にずれ込み、スタートのめどすら立っていない。国策とされる再利用システムが立ち往生している背景には、現在の態勢に対する不信感とともにエネルギー政策に、より積極的にかかわろうとする立地県の意識の高まりがある。国民生活の基盤となるエネルギー政策の揺れを立地県から問い直す。

 

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本県、東電を両にらみ

プルサーマル、原発建設・・・−東北電力−

(1月21日(月)掲載)

 東京電力の南直哉社長が富岡町で双葉郡の町村長らにプルサーマルの早期実施を訴えていた十八日、東北電力では宮城県牡鹿半島の女川、牡鹿両町にまたがる女川原子力発電所で、三十日に予定している3号機の営業運転開始に向け、最終準備に余念がなかった。
 長谷川登広報課長は「待望の運転開始。これまでの地道な理解活動が実った」と顔をほころばせた。
 女川原発の増設は3号機で最後となる。同社が女川原発で次の目標とするのはプルサーマルの実施。同社にとっても、本県のプルサーマル凍結表明は“対岸の火事”ではない。

      
 経済産業相から各電力会社に対し、プルサーマル計画への取り組み強化の指示があった昨年六月以降、女川、牡鹿両町でプルサーマルに理解を求める全戸訪問活動を展開、講演会や説明会の開催も増やしている。ただ、長谷川課長は「原発後進のわが社にとって、プルサーマルの理解活動は緒に就いたばかり」と漏らす。
 同社の発電構成は現在、ガス26%、石炭25%、原子力21%。全国九電力の原子力発電に占める割合は平均34%だけに、他社との格差は歴然としている。
 このため地球温暖化防止とエネルギーのベストミックスを図るためという国策に沿い、原子力発電の割合を高めたいとしている。現在、青森県東通村にも東通原発1号機を建設している。この原子炉が稼働すれば、原子力発電への依存度を他社並みの30%台に伸ばすことができる。
 こうした将来ビジョンを達成するためにも、核燃料サイクルの確立は避けて通れない。
      
 同社には「接譲地帯」という社内用語がある。東京電力が原発を立地する本県や新潟県を指し示すこの言葉に、自社の営業エリア内で、プルサーマル問題などを抱える東電への屈折した感情がこもる。「東電さんは、もう少し上手にやってくれればいいのに」との嘆きも社内から聞こえてくる。
 東北電力は浪江、小高両町に浪江・小高原発の建設計画を進めている。県のエネルギー政策検討会には毎回、社員を派遣するなどし、本県と東電の動きを両にらみする。「地域と一体となって育ってきたわが社が熱心に説明すれば、理解は得られやすいはずだ」。営業エリア外で原発を稼働させ、プルサーマルも計画する東電との違いを、社員の一人はそう強調する。

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