二十一世紀に入り、電力を取り巻く環境が大きく変化しようとしている。原子力発電では、プルサーマル計画という核燃料の再利用システムが当初目標より大幅にずれ込み、スタートのめどすら立っていない。国策とされる再利用システムが立ち往生している背景には、現在の態勢に対する不信感とともにエネルギー政策に、より積極的にかかわろうとする立地県の意識の高まりがある。国民生活の基盤となるエネルギー政策の揺れを立地県から問い直す。

 

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ヤマ場迎えた県検討会

課題は山積、先行き不透明

(1月4日(金)掲載)

 県のエネルギー政策検討会は昨年六月に始まり、既に十回開かれた。毎回、佐藤知事ら三役と部局長ら十五人のメンバーが分厚い資料を抱え、会場に入る。七回目からはプルサーマル問題を含む原子力政策の議論が進む。事務局の高倉吉久原子力安全対策課長は「最大のヤマ場に差し掛かった。周囲もピリピリしている」と話す。
 毎回招かれる講師は原発政策について賛否を含め、それぞれの立場から持論を展開する。焦点の一つはコスト問題。電力自由化のもとでのコスト競争で、原発は太刀打ちできるのか、使用済み核燃料の再利用はコスト高にならないか。さまざまな意見が交わされる。
      
 昨年十一月二十一日の検討会。東京大大学院の山地憲治教授は、使用済み核燃料について「(原発の)貯蔵プールを十分に使うべき。比較的短期間に建設でき、(長期間保管する)技術も確立している」と主張した。
 話が終わると知事が真っ先に発言を求め、福島第一原発で使用済み核燃料を保管する共用プールの増設を、平成五年に県が認めた際の経緯を話し始めた。当時、国は原発の使用済み燃料は二〇一〇年から減り始めると説明した。
 ところが、一年後に原子力委員会は国の説明を転換する長期計画をまとめた。使用済み核燃料が減り始める時期を先送りさせる内容だった。経過を振り返りながら知事は「“約束”が簡単に反故(ほご)にされたという思いだった。不信感も持った」と語気を強めた。
 経済産業相の諮問機関・総合資源エネルギー調査会の委員を務める山地教授は「(国の)政策の転換の際には、きちっとした説明が必要だ」と答えただけ。議論はそこで終わった。
 「まず結論ありきではない。方向を決めて進めているわけでもない」。事務局の一人、遠藤俊博地域振興課長は手探りの検討会をこう表現する。
      
 昨年十一月、静岡県の中部電力浜岡原発で配管破断事故が起き、原発の長期使用が原因では、という指摘があった。知事は早速、テーマに加えることを表明。検討会の今後のスケジュールは一段と不透明さを増した。
 こうした中、県は検討会の会場使用料や講師への謝礼を新年度当初予算案に計上する方向で最終調整をしている。検討会は新年度も継続されることが確実となってきた。

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