二十一世紀に入り、電力を取り巻く環境が大きく変化しようとしている。原子力発電では、プルサーマル計画という核燃料の再利用システムが当初目標より大幅にずれ込み、スタートのめどすら立っていない。国策とされる再利用システムが立ち往生している背景には、現在の態勢に対する不信感とともにエネルギー政策に、より積極的にかかわろうとする立地県の意識の高まりがある。国民生活の基盤となるエネルギー政策の揺れを立地県から問い直す。

 

20

問われる開催の意義

県検討会、全国が行方注視−エネルギー国民会議−

(1月24日(木)掲載)

 佐藤知事が経済産業省・資源エネルギー庁からの出席要請を断ったエネルギー集会は「エネルギー・にっぽん国民会議イン東京」と名称が決まった。エネルギーを自分の身近な問題として考えてもらうイベントとして、当初の予定通り二月九日に開かれる。
 第一部には、平沼赳夫経済産業相と平山征夫・新潟県、木村守男・青森県、石原慎太郎・東京都の各知事が出席。電力の供給地、消費地などの立場からの意見交換は注目を集めそうだ。
 電力供給地と消費地との交流活動はここ半年ほどで急激に増えた。昨年十月には新潟県柏崎市と東京都の経済人によるエネルギー懇談会が初めて実現した。
 「プルサーマル凍結表明の前後、佐藤知事は『国民理解が足りない』と発言した。電気をつくっている福島や新潟のことを、首都圏の人たちが理解することだと考えている」。交流活動に積極姿勢を見せる資源エネルギー庁の原山保人原子力政策課長は佐藤知事の発言が一つのきっかけになったことを明かす。
         
 「国民会議と名づけながら、なぜ東京電力が関連する地域の知事ばかりを呼ぶのか。プルサーマル推進運動と受け取られても仕方がない」。国と歩調を合わせ、プルサーマルの理解活動を進める東電の一部には、国のやり方に疑問の声がある。
 東電の南直哉社長は今月、本県を二度訪れ、佐藤知事や双葉郡の町村長らと懇談した。ただ、県のエネルギー政策検討会が結論を出していないことに配慮し、プルサーマルや増設に関する発言には慎重に言葉を選んだ。それだけに東電幹部の一人は、国の動きを「露骨すぎる」ととらえる。
 県の検討会の事務局は「有名人を呼び、大勢の人を集める。いつまでこんな手法をとっているのか。感覚がずれている」と冷ややか。国との溝はますます深まっているようにも映る。
        
 県のエネルギー政策検討会は今月七日、これまでの議論の中間取りまとめを行った。国に対する提言の時期がいつになるのか。見通しは立たないが、事務局では「結論は知事の腹一つで決まる。最終的には国の担当者を検討会に招き、ぶつけることになるだろう」とシナリオを描き始めた。
 「止まった国策」。プルサーマルの行方を左右する県の検討会の成り行きを、県民や地元立地町をはじめ、他の原発立地県、国、電力会社も関心を持って見守っている。=第1部・おわり=

©福島民報社2002


Copyright(C) 福島民報社 All Rights Reserved.