二十一世紀に入り、電力を取り巻く環境が大きく変化しようとしている。原子力発電では、プルサーマル計画という核燃料の再利用システムが当初目標より大幅にずれ込み、スタートのめどすら立っていない。国策とされる再利用システムが立ち往生している背景には、現在の態勢に対する不信感とともにエネルギー政策に、より積極的にかかわろうとする立地県の意識の高まりがある。国民生活の基盤となるエネルギー政策の揺れを立地県から問い直す。

 

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燃料データねつ造−知事の怒り消えず

プルサーマル延期の要因

(4月24日(水)掲載)

 県庁わきにある杉妻会館。今月十六日、原子力発電所が立地する双葉郡の四町議会の正副議長と佐藤知事が対面した。
 「国はいったいどんな検査をしてきたのか」。知事は関西電力高浜原子力発電所4号機(福井県)で使用するプルサーマル用燃料のデータねつ造を取り上げ、語気を強めた。
 「怒りはまだまだ収まっていない」。大熊町の吉岡弘夫町議会議長は知事の生の声を聞いてあらためて、国への不信の深さを感じ取った。
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 平成十一年十二月、国は本県に対して高浜原発4号機で使用する予定だったプルサーマル用燃料のデータにねつ造があったことを伝えた。
 高浜原発の原子炉は加圧水型と呼ばれるタイプで、本県の原発は沸騰水型。全国の原発はこの二つのタイプに大別される。国と電力会社はプルサーマルの本格導入のトップとして福島第一原発と高浜原発を挙げた。
 高浜原発のプルサーマル用燃料は十一年九月ごろから「品質管理データにねつ造がある」と、製造された英国でささやかれ始めていた。関電、国の担当者が現地で調査して「問題なし」と判断したが、その直後にねつ造が現実となった。いったんは国を信用した県は重なる不手際に不信感を増幅させた。
 本県の原発で使う燃料はベルギー製であり、関電の燃料とは異なるが、佐藤知事は「国の安全宣言は何だったのか。どこで、どんな検査をしたのか」と国と電力業界のずさんさを批判した。
 同時期には、茨城県東海村の臨界事故も発生していた。当時、県生活環境部長だった南沢大二郎氏(前県総務部長)は「国に対する不信はかつてなく高まった」と明かす。本県でのプルサーマルの延期は決定的となった。
 ねつ造問題は今も尾を引く。関電にとってねつ造のあった燃料を英国に送り返すことが課題となっているが、昨年の米中枢同時テロの影響などで核燃料の海上輸送に向けた作業は進展していない。
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 プルサーマル計画は全国的に実施の糸口さえ見えず、佐藤知事も国に対して厳しい視線を向け続ける。
 だが、双葉郡の原発立地町は県の姿勢に一定の距離を置く。十六日、知事と会った正副議長は「県は、国や電力会社ともっと積極的に話し合うべきだ」とプルサーマルの実施や発電所の増設を求めた。県は国に不信感を募らせるが、立地町もまた県に不満を抱き始めている。

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