二十一世紀に入り、電力を取り巻く環境が大きく変化しようとしている。原子力発電では、プルサーマル計画という核燃料の再利用システムが当初目標より大幅にずれ込み、スタートのめどすら立っていない。国策とされる再利用システムが立ち往生している背景には、現在の態勢に対する不信感とともにエネルギー政策に、より積極的にかかわろうとする立地県の意識の高まりがある。国民生活の基盤となるエネルギー政策の揺れを立地県から問い直す。

 

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4人に1人「安全性疑問」

国、県の対策浸透進まず

(4月28日(日)掲載)

 東京電力福島第一原子力発電所(大熊・双葉町)から南西に約五キロ。今月一日、大熊町の中心部に県原子力災害対策センター(オフサイトセンター)が開設された。首相官邸に直結するテレビ会議システム、汚染物質を取り除く除染室などの最新設備が並ぶ。平成十一年九月のJCO臨界事故を教訓にした「有事」の最前線基地だ。
 「万が一の時に役立つ施設ならば、もっと積極的に住民にPRすればいいのに…。私の知り合いに施設ができたことを分かっている人は、ほとんどいません」。町内の主婦(30)は言い切った。国や県は原発の安全対策に万全を期している姿勢を強調しているが、その思いは住民に届かない。
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 安全だ   36・7%
 安全でない 27・4%
 県と原発立地周辺の十一市町村でつくる県原子力広報協会が、昨年十一月に実施した住民意識調査の結果だ。原発の安全性についての意見を大きく分けると、「安全だ」と受け止める住民が「安全でない」とする住民より多かった。
 しかし、発電所の近くに住んでいながらも四人に一人が安全性に疑問を持っていることも数字は示す。
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 新潟県の東京電力柏崎刈羽原発が立地している柏崎市。今年二月、国の理解活動の要となる地域担当官事務所が設置された。資源エネルギー庁から派遣された馬場康夫所長が一人で任務に当たっている。
 福島第一原発と同じく柏崎刈羽原発でもプルサーマル計画が予定されているが、その是非をめぐる刈羽村の住民投票で反対票が賛成票を上回った。
 事務所の設置は一向に収まる気配のない逆風を少しでも和らげる狙いもある。同庁の原山保人原子力政策課長は「住民とひざを交え、深夜までエネルギーについて議論する姿が地域担当官の理想」と期待を寄せる。
 しかし、馬場所長は「市役所や役場にはたびたび顔を出しているが、住民との交流はまだこれから。顔を知ってもらい、皆さんと気軽に話したいのだが…」と悩む。
 国の働き掛けに対して、刈羽村で三十年以上にわたって原発反対運動を繰り広げている武本和幸元村議は「いまさら国が何をやっても手遅れ」と冷ややかだ。
 地域担当官は、本県の原発立地地域にも今夏までに配置される。たった一人で地域の実情を把握し切れるのか。国が進める住民への理解活動は手探りが続く。

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