二十一世紀に入り、電力を取り巻く環境が大きく変化しようとしている。原子力発電では、プルサーマル計画という核燃料の再利用システムが当初目標より大幅にずれ込み、スタートのめどすら立っていない。国策とされる再利用システムが立ち往生している背景には、現在の態勢に対する不信感とともにエネルギー政策に、より積極的にかかわろうとする立地県の意識の高まりがある。国民生活の基盤となるエネルギー政策の揺れを立地県から問い直す。

 

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核燃料税引き上げ県方針に東電怒り

立地町の思惑も絡み複雑

(5月2日(木)掲載)

 突然、突きつけられた県の要請に東電幹部は怒りをあらわにした。「わが社との関係を台無しにする気か。到底受け入れられない」
 原子力発電所で使用するウラン燃料に課税される「核燃料税」。県は四月二十三日、燃料価格に対する課税に加えて、重量にも課税する全国初の方式を発表した。燃料価格の下落で落ち込んだ税収をピーク時にまで底上げする狙いがある。原子力災害への対策など新たな財源が必要になったことも背景にある。
 納税者の東電に情報が入ったのは、正式発表の一週間ほど前。県の担当者と接触した東電幹部は、周到な準備を進めてきた担当者の言い回しに自信さえ感じ取った。
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 核燃料税は法定外普通税と呼ばれる。基本的には県が課税の対象や率を条例で決め、使い道も県が判断できる。昭和五十二年の創設以来、五年ごとに条例を更新してきた。この間、東電は合計で一千億円近くを納めた。
 県は自らの事業に使うほか、原発立地町と周辺の合わせて十町村、双葉地方広域市町村圏組合に約三割を配分している。
 県への収入減に伴い、町村に回る金額も年々、減少の一途をたどっている。平成二年度に一億七千六百万円を受けた楢葉町は十三年度に九千百六十一万円と一億円を切った。「ピーク時には核燃料税をもとに保健福祉会館を建設できたが、今は大きな事業の財源に期待できない」。楢葉町の遠藤一教企画課長は不安を隠さない。
 楢葉町を含む原発立地の四町は今年二月、県に対して税率の現行7%から10%への引き上げと、地元への配分を手厚くするよう求めた。
 約二カ月後、県は税率アップと燃料の重量にも課税する新たな枠組みを打ち出した。だが、発表前に県から地元への打診はなかった。
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 「税率が上がれば地元への配分額も増える。割合を増やすかどうかは白紙の状態」。県地方税制等検討会座長の室井勝県総務部長は態度を決めていないことを示す。
 ある首長は「配分額が増えれば納得するだろう、という考え方で地元を見られては困る。増収分の使い道を明確にすることが最も重要だ」とくぎを刺す。
 県は核燃料税の条例改正案を六月定例県議会に提出する準備を進めている。プルサーマル、原発増設に核燃料税の更新問題が加わり、県、地元、東電の三者の思惑はこれまで以上に複雑に絡み始めた。



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