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(5月28日(火)掲載)
四月二十四日、富岡町の滝川ダム建設に伴う付け替え道路、県道小野・富岡線滝川工区の開通式。町土地改良区の渡辺満雄理事長は遠藤勝也町長らと並び、笑顔でくす玉を割った。 この道路の完成は、町内の約八百十八ヘクタールの水田や畑に水を流すダムの本格着工を意味する。日照りで水が不足すると、農家は干上がった川を掘ってはポンプで水をくみ上げた。渡辺理事長は「長年、水に悩まされた農家にとっては、不安解消の第一歩」と喜ぶ。 約五キロの開通区間には、十二の橋と七つのトンネルが続く。県道だが、町は約四十億円を負担した。さらに、十九年度完成予定の滝川ダム建設そのものにも約四十億円の地元負担が見込まれている。 渡辺理事長は「町の財政が厳しいのは理解できるが、農家の生活が良くならなければ町も良くならない」とダムの必要性を強調する。 ◇ 富岡町には東京電力福島第二原子力発電所3、4号機が立地している。町の収入の大半は長年、原発関係の税収や国からの交付金で占められてきた。しかし、3、4号機の運転開始から十数年が経過した今、原発関係の収入は先細りに差し掛かっている。中でも、原発の土地・建物・設備などに課税される固定資産税はピーク時の平成四年度は約三十六億円だったが、十二年度には半分以下の約十五億円に減少した。 町内では、滝川ダム建設のほか、公共下水道、区画整理などの事業が進行している。いずれも総事業費は百億円を超える。こうした事業に充てた借金の返済は今年度以降三年間、毎年七億円以上が見込まれる。町の貯金に当たる財政調整基金は、かつて五十億円あったが、ほぼ半額の二十四億円に目減りした。 原発からの税収増が見込めない中、町の財政を担当する遠藤博美財政係長は「歳出削減に重点を置いている中で、財政の立場から見れば、町の各種事業のうち、滝川ダムの重要度は最優先とまではいかない」と説明する。 ◇ ◇ 原子力や火力発電所が立地する相双地方の町には固定資産税などの税金のほか、電源三法交付金と呼ばれる財源が国から投入される。市町村はこの財源で公共施設や道路の整備を進めてきた。 発電所のような大きな“収入源”がない市町村に比べると、発電所がある町の公共施設の立派さや基盤の充実が際立つ。しかし、頼みの税収や交付金が減ってきた中で、立地町は財政の体質改善を迫られている。
©福島民報社2002
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