二十一世紀に入り、電力を取り巻く環境が大きく変化しようとしている。原子力発電では、プルサーマル計画という核燃料の再利用システムが当初目標より大幅にずれ込み、スタートのめどすら立っていない。国策とされる再利用システムが立ち往生している背景には、現在の態勢に対する不信感とともにエネルギー政策に、より積極的にかかわろうとする立地県の意識の高まりがある。国民生活の基盤となるエネルギー政策の揺れを立地県から問い直す。

 

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原発の周辺地域立地町より薄い恩恵

地域振興の特措法を注視

(6月1日(土)掲載)

 東京電力福島第二原子力発電所から西に十数キロ。人口三千二百人余りの川内村は、十二年の国勢調査で五年前と比べた人口減少率が県内九十市町村で最大の10・9%だった。同じ双葉郡でも、原子力や火力の発電所がある町とは趣を異にしている。
 村内外から大勢の客が訪れる「かわうちの湯」や名物のイワナ料理が楽しめる「いわなの郷」などの観光施設が整う。念願だった村内三つの小学校を一つにした統合小学校も十五年度末の完成を目指して造成工事が進んでいる。
 過疎地域に指定されているため、村は借り入れの七割を地方交付税で手当てされる過疎債と、原発立地の周辺地域にもたらされる電源三法交付金を使って事業を展開している。
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 年間約十二万人が訪れる「かわうちの湯」は事業費約十億円のうち、約五億円を電源三法交付金でまかなった。相双地方の観光開発事業として特別枠を確保した。
 ただ、村の発電所関係の収入は発電所の立地町に比べれば大幅に少ない。福島第二原発、広野火発の立地町に隣接する村として入る十四年度の電源三法交付金は合わせて一億円程度だ。
 井出寿一村総務課企画係長は「ほかの阿武隈山系の町村に比べ、財政状況はいいが、原発の交付金だけに頼ってはいられないのも事実だ」と説明する。
 電源三法交付金と並ぶ村の重要な財源の過疎債は、年平均で約二億円を活用している。統合小学校も総事業費約二十一億円のうち約五億円を過疎債でまかなう。
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 川内村の北隣にある都路村にも毎年、発電所関係の特別交付金や核燃料税が入る。十三年度は約四千万円をかけて村道を整備し、今後は村保健センターの駐車場整備にも核燃料税などを充てる。
 福島第一原発の建設当時は村内から約八百人が働きに出た。現在も二百―三百人は原発関連の企業に雇用されている。村内の商店主は「われわれの村は原発立地の双葉郡ではないが、原発に貢献している。こちら(田村郡)にも、もっと恩恵があってもいいのではないか」と本音を漏らす。
 原発立地地域の新たな振興を目指す特別措置法による県内の地域指定は秋に予定されている。田村郡の都路村は指定の枠に入るかどうか微妙な状況だ。指定されれば、交付金の増額などが見込める。財政難に悩む村の幹部は、県の地域指定の行方を注視している。

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