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(6月2日(日)掲載)
「県の取り組みが見えない。早く特措法の地域指定の結論を出してほしい」。三月二十五日、富岡町の双葉地方会館で、双葉郡の町村長、議会議長は川手晃副知事に対して、詰め寄った。 特措法―。原子力発電所などの立地地域の新たな振興を目指す特別措置法(特措法)を意味する。県内の対象地域をどの範囲とするかが今、県と地元との間の懸案の一つとなっている。 「個人的には双葉郡がエリアだと思う。ただ、プロジェクトは浜通り、中通りにも広げたい」。地域指定を決めていない状況で、川手副知事は“私見”を示すのがやっとだった。 県は今秋の指定を目指しているが、昨年春の法律施行からすでに一年が経過し、県の姿勢に地元はいらだちを隠さない。 ◇ 特措法は議員提出の十年間の時限立法としてつくられた。すでに今年四月までに八地域が振興計画を策定したり、国に計画づくりを申し入れた。 双葉郡が選挙区に入っている吉野正芳衆院議員(自民、5区)は「振興計画の中身が問題。すでに計画を決めた島根県や福井県は、以前からきちんとした独自の地域振興計画を持っていた。特別措置法はその後にできたが、スムーズに移行することができた」と、本県がもともと出遅れていたことを指摘した。 本県は計画づくりの以前に地域指定さえ固まっていない。エリアは知事が国の原子力立地会議に申請し、総理大臣が指定する。その後、県が振興計画を作り、盛り込まれた事業には国の補助割合アップなどの支援がある。 「常磐道や浜街道が計画に入れば、事業そのものが国に認知されたということだ。(国が認めた)計画で決まっているのだから早くやってくれ、と強く要望できる」。吉野議員は計画がお墨付きにもなることを強調した。 ◇ ◇ 特措法の支援措置の柱となる補助率のかさ上げはわずか5%にとどまっている。さらに、対象は道路や港湾、消防施設などに限られている。 法案の原案作成にかかわった太田豊秋参院議員(本県選出)は「成立直前に反対の動きが出た結果、対象を限った内容に修正された。個人的には修正前に戻して、地元にとって使いやすい制度としたい」と話す。 その言葉を受けるように、佐藤知事は五月二十一日の定例記者会見で「運用面で課題が残っている」と、特措法だけでは地域振興にはつながらないことに懸念を示した。地元の期待する特措法を、県は一歩引いた場所から見つめる。
©福島民報社2002
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