東京電力の原発トラブル隠しに続く気密性データの不正操作は、東電の隠ぺい体質と国の無責任さをあらためて浮き立たせた。国策として進められている核燃料サイクルは原子力に対する信頼が失墜した今、その推進力を失ったままだ。原発立地地域の立場から声を上げた県エネルギー政策検討会の中間とりまとめは、先行きの見えない原子力政策に一石を投じることができるのか。わが国の原子力政策は信頼回復という大きな壁に直面し、漂流を続けている。

 

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県、法改正に冷ややか

立地地域除き 低い関心    

(12月17日掲載)

 東京電力が福島第一原発1号機の気密性データ不正操作に伴う社員の処分を公表した十一日。一連の不正の再発防止策として国会に提出された改正電気事業法などの法案が参院で可決、成立した。
 東電の原発トラブル隠しが発覚した八月末からわずか三カ月余。法案が提出されてから三十六日というスピード審議で、再発防止に向けた国側の枠組みが出来上がってしまった。
 十一年九月の茨城県東海村の臨界事故をきっかけとした原子力災害対策特別措置法も提出から成立まで二カ月半だった。
 似たような短期間の国会審議に、県の幹部は「一連の問題にできるだけ早く幕を引きたいという国の思惑の表れ」と冷ややかに分析した。
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 原発の機器に損傷があっても安全性が確保されていれば運転を継続できる「維持基準」の導入が盛り込まれた改正法には「時期尚早」とする意見や「慎重審議」を求める声も多かった。
 委員会採決で反対に回った社民党や共産党の委員からは「一連の不祥事の全容解明なくして信頼回復はない。法律が施行されれば免罪符になりかねない」「原子力安全・保安院の責任感の無さはひどい。維持基準の前倒しで不正防止とするのは立地地域に不誠実だ」との意見が相次いだ。
 一方で審議自体は立地地域などの一部の議員を除いては関心の低さを浮き彫りにした。十一月二十七日の衆院経済産業委員会は採決を控えた最終審議の場だったが、与党委員の欠席が目立った。午前、午後の二度にわたって定足数に達せず、審議が中断した。
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 衆院経済産業委員会で立地地域の立場で問題を追及した吉野正芳議員(自民、5区)は新たな枠組みについて「例えば、独立行政法人の新設で技術面での健全性評価は従来より高まる可能性はある」と一定の評価を示している。ただ、維持基準について「必要だとは思うが“新品基準”のままがいいという声も多い」と話す。
 法案成立から二日後の去る十三日。「一つ一つの問題には法律で対応できるかもしれないが、原子力行政全体を考えた議論が必要だ」。県議会企画環境常任委員会で、県の担当者は、より大きな視点での検討を求める考えを示した。
 国と原発立地県、立地地域の信頼回復に対する考え方の違いは、関係法の改正などをめぐってさらに広がった。

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