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(12月18日掲載)
「うそをついたまま、プルサーマルだ、増設だと言っていたのが腹立たしい」「東電の再発防止策は普通の企業ならば、とっくに取り組んでいる」。十月中旬、東京電力の原発トラブル隠しを受け、富岡町で開かれた行政区単位の説明会で、住民の失望感があらためて噴出した。 説明会は福島第一、福島第二の両原発で合わせて二十三回、開かれた。「信頼感が元に戻るには数年、いや十年はかかるかもしれない」。今年六月に着任した松村一弘福島第一原発所長は矢面に立ちながら、信頼回復の新たな手だてをどのように打ち出すかに頭を悩ませている。 ◇ ◇ 福島第一、福島第二両原発には、十基のプラントが立ち並ぶが、現在、トラブル隠しのあった炉心隔壁(シュラウド)の点検や定期検査で六基が止まっている。検査を終了したプラントが運転を再開できなければ、来春には県内の十基と新潟県の柏崎刈羽原発にある七基のすべての原発が停止する厳しい状況に追い込まれる。 運転再開について東電は「地元の了解が大前提」と、その“条件”を掲げているが、トラブル隠しの検査が現在、進められており、再開のシナリオは固まりきらないままだ。 再発防止策の目玉として年内にも発足させる発電所地域情報会議など、次々と対策を出す東電の姿勢に、地元の了解に向けた地盤づくりの思惑が透けて見える。 ただ、東電が電力を供給する首都圏の電力需要は半年後の夏場にはピークに近づく。東電幹部は「冬場はギリギリ乗り切れそうだが、夏は絶対的な電力量が足りない。地元の安心の確保に努力しながら再開にこぎ着けたい」と、信頼回復と安定供給のはざまで揺れている。 ◇ ◇ 佐藤知事は運転再開の条件や時期について「言及すべき時ではない」と慎重な言い回しに終始している。東電がシナリオを描ききれない大きな要因だ。一方、経済情勢が厳しい中で、原発が立地している地元の町からは「雇用機会の確保のためにも早期の運転再開を」との声が日増しに高まっている。 トラブル隠しと気密性検査データ不正操作問題は、事実解明が一段落し、原因究明と再発防止対策も進んできた。運転再開が最大の「懸案」として浮上しつつある。東電は県と地元の町、住民の動向に神経をとがらせながら、そのタイミングを探り始めている。
©福島民報社2002
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