東京電力の原発トラブル隠しに続く気密性データの不正操作は、東電の隠ぺい体質と国の無責任さをあらためて浮き立たせた。国策として進められている核燃料サイクルは原子力に対する信頼が失墜した今、その推進力を失ったままだ。原発立地地域の立場から声を上げた県エネルギー政策検討会の中間とりまとめは、先行きの見えない原子力政策に一石を投じることができるのか。わが国の原子力政策は信頼回復という大きな壁に直面し、漂流を続けている。

 

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核燃サイクルで「温度差」

原子力委の姿勢変わらず    

(12月19日掲載)

 原子力行政の最高意思決定機関である原子力委員会。今月三日、核燃料サイクルの今後のあり方を考える検討会の二回目の会合を東京・霞が関で開いた。使用済み核燃料の再処理基地として準備が進む青森県六ケ所村の古川健治村長が発言者として招かれた。
 「(再処理施設の操業は)計画通りに進めてほしい。そのためにもプルサーマルを実施してもらうことが重要だ」。古川村長はプルサーマルが動かなければ、“ゴミ捨て場”になる不安を訴えた。
 原発立地地域と核燃料サイクル基地。原発にトラブルがあれば、その影響は六ケ所村に集中する。一貫して再処理路線を唱えている原子力委員会の藤家洋一委員長は「勇気づけられる言葉をいただいた」と推進に強い決意を示した。
   ◇   ◇
 「核燃料サイクルは国民的議論のうえで決定すべき。立ち止まって考える時期にきている」。県エネルギー政策検討会は東電の問題が発覚する以前の八月五日、原子力委員会との意見交換で、県の考え方をぶつけた。
 だが、藤家委員長は原子力エネルギーは資源の有効活用が最大の特徴だと強調しただけで、議論は深まらなかった。
 その二十日後に東電の原発トラブル隠しが発覚した。県は指摘した問題点が顕在化した「実例」ととらえ、その主張をより強めた。受け身に回りがちだった原子力委員会が打ち出したのが核燃料サイクルのあり方を考える検討会だった。藤家委員長と怒鳴りあうほどの面会をした佐藤知事も「こちらの見方が甘いかもしれないが、新しい動きが出てきている」と注目している。
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 原子力委員会の検討会の初回は十一月十八日。岩本忠夫双葉町長はじめ、原発が立地する自治体の首長、助役ら三人が意見を述べた。東電の原発が立地する新潟県柏崎市の安達公司助役は核燃料サイクルを「ボタンの掛け違いの状態」と指摘、本県同様に原点からの見直しを提案した。
 ところが、藤家委員長は「サイクルに対する理解はある。プルサーマルの重要性を説明していかなければならない」と、基本的な姿勢には変更がないことをアピールした。
 原子力委員会は検討会と並行してとりまとめを急いでいる核燃料サイクルの全体像を年明け早々にも示す方針だ。
 「全体像の説明と意見交換はぜひ福島県で最初にやりたい」。原子力委員会初の民間委員となった木元教子委員は八月に続く議論の第二ステージに意欲を見せている。

©福島民報社2002


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