二十一世紀に入り、電力を取り巻く環境が大きく変化しようとしている。原子力発電では、プルサーマル計画という核燃料の再利用システムが当初目標より大幅にずれ込み、スタートのめどすら立っていない。国策とされる再利用システムが立ち往生している背景には、現在の態勢に対する不信感とともにエネルギー政策に、より積極的にかかわろうとする立地県の意識の高まりがある。国民生活の基盤となるエネルギー政策の揺れを立地県から問い直す。

 

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住民意思尊重し凍結

国の方針問う原動力に−新潟・刈羽村−

(1月8日(火)掲載)

 日本海に面し、この季節には雪まじりの風が吹きつける新潟県刈羽村は人口五千人余りの小さな村だ。隣の柏崎市にまたがる東京電力柏崎刈羽原子力発電所の七基の総発電出力は八百二十万キロワットに上り、発電所単位では世界最大。つくられた電気は本県の原発と同様、首都圏に送られている。
 原発の立地によって、刈羽村はこれまでに二百十四億円の電源立地交付金を受け、下水道や生涯学習施設などの整備が進んでいる。原発関連企業に従事する村民も多い。
 しかし、柏崎刈羽原発3号機への東電のプルサーマル計画は、村が昨年五月に行った住民投票で反対票が賛成票を上回り、ストップがかかった。
      
 新潟県や刈羽村などは東電のプルサーマル計画を、本県より四カ月遅れの平成十一年三月に事前了解した。同じ時期、村内の住民団体はプルサーマルの是非を問うため、村議会に住民投票条例の制定を直接請求をした。結果は賛成少数で否決だった。
 十二年十一月、新人四人が立候補した村長選で現在の品田宏夫村長が当選した。激しい選挙戦は村議会の構図を一変させた。前村長時代は住民投票条例の制定に反対した議員が賛成に回り、住民投票が実施されることになった。村民からは「(住民投票は)村長選のしこりで、プルサーマル論議は政争の道具にされた」との声も聞こえた。
 プルサーマル導入反対運動の中心となった吉田大介村議は「最初は村長選の“負け組”の反発があった。でも、最終的には村をどうすべきかを真剣に考えたうえでの選択だった」と、条例制定で賛成に回った経緯を説明する。
 プルサーマルの導入について、判断の主体が本県は「知事(県)」なのに対し、新潟県は「地元住民」で、違うようにみえる。吉田村議は「五十年先、百年先、この地域に住んでいるのは自分たちであり、その家族。知事も住民も変わらない。福島県の佐藤知事が地域を考えようとする姿勢は評価できる」と語り、本県の動きを注目する。
      
 住民投票の結果に法的な拘束力はない。しかし、品田村長は投票結果を住民の意思として尊重し、投票翌日には当面の受け入れ凍結を決めた。半月後には平山郁夫新潟県知事、西川正純柏崎市長とともに「プルサーマル計画の今後の進め方を明確にすること」など四項目を国に要望したのは半月後のことだった。

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