二十一世紀に入り、電力を取り巻く環境が大きく変化しようとしている。原子力発電では、プルサーマル計画という核燃料の再利用システムが当初目標より大幅にずれ込み、スタートのめどすら立っていない。国策とされる再利用システムが立ち往生している背景には、現在の態勢に対する不信感とともにエネルギー政策に、より積極的にかかわろうとする立地県の意識の高まりがある。国民生活の基盤となるエネルギー政策の揺れを立地県から問い直す。

 

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懇談会、入り口で平行線

もつれた糸ほぐれぬまま−新潟・刈羽村−

(1月10日(木)掲載)

 刈羽村の住民投票後、東京電力は柏崎刈羽原子力発電所の広報担当を三人から五人に増やした。七カ月が過ぎた今、村内の全戸訪問を活発化させ、住民への理解活動をより強めている。
 こうした動きに呼応するかのように、原子力委員会はエネルギー問題を住民とともに考える「市民参加懇談会」を十五日に刈羽村で開く。国が原発立地地域の住民に意見を直接求める場の開催は初めてとなる。
    
 「刈羽のことは刈羽の住民に考えさせてほしい」。昨年十二月十三日、村生涯学習センター「ラピカ」で開かれた事前打ち合わせ会で、反対派住民は原子力委員会の木元教子委員に激しく詰め寄った。
 「プルサーマルを押し付けるつもりはない。皆さんの意見を国策にきちんと反映させたい」と話す木元委員に、反対派の男性は「プルサーマルを理解し納得してもらおうという意図が見え見えだ。国と話し合う気はない」と突っぱねた。議論は一時間半に及んだが、両者の間にある溝の深さを浮き彫りにするだけだった。反対派住民は懇談会への出席を約束せず、「自由参加」を通告するにとどまった。
 原子力委員会側は「今までの原子力行政の流れを考えれば、刈羽村で懇談会を開催できること自体が前進」と評価する。電力の生産地と消費地の住民同士による交流の必要性を持論とする木元委員は「刈羽で成功すれば、次は福島でもぜひ開きたい」と意欲をみせる。
   
 刈羽村の“プルサーマル拒否”の意思表示に、新潟県はエネルギー全体を考え直す方向に動き始めている。従来の原子力安全対策室を改変し、エネルギー全般を担当する原子力安全・資源対策課が市民参加のフォーラムを積極的に開く方針を打ち出したのもその表れの一つといえる。「一般市民を交えてねじれた糸を根本から解きほぐす必要があるのではないか。細いロープを伝っていくような厳しい作業になるだろうが…」。小林幹夫課長はそう語る。
 原子力委員会や資源エネルギー庁は「エネルギーに限らず、一部の政治家や議会決定だけで政策が動いてきた時代は終わった。国が理解活動に全力を挙げ、住民との最大公約数を探る必要がある」と受け止める。
 本県、新潟県と同様にプルサーマル計画を事前了解しながら、足踏みしている福井県にはまた別の事情があった。

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