二十一世紀に入り、電力を取り巻く環境が大きく変化しようとしている。原子力発電では、プルサーマル計画という核燃料の再利用システムが当初目標より大幅にずれ込み、スタートのめどすら立っていない。国策とされる再利用システムが立ち往生している背景には、現在の態勢に対する不信感とともにエネルギー政策に、より積極的にかかわろうとする立地県の意識の高まりがある。国民生活の基盤となるエネルギー政策の揺れを立地県から問い直す。

 

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プルサーマル推進の姿勢

相次ぐ燃料不備に戸惑い−新潟・刈羽村−

(1月11日(金)掲載)

 本県と同じように電源立地地域を抱える福井県。若狭湾沿いには、合わせて十三基の原子力発電所が並ぶ。その一つがプルサーマルを国内で初めて本格的に導入する予定だった関西電力高浜原発。燃料プールには二年三カ月前に欧州から海上輸送されたあと、英国の製造元でのデータねつ造が分かった核燃料八体が保管されている。
 フランスの加工会社に別発注していたプルサーマル用核燃料が昨年末になって、国の検査に合格する可能性がないことも判明。肝心のプルサーマル用核燃料を確保できる見通しが立たず、計画はストップしている。
      
 福井県原子力安全対策課は原子力関係の情報収集の中で、本県のエネルギー政策検討会の動きも逐一、インターネットで入手していた。寺川和良同課参事は「プルサーマルはすでに始まっている。今、なぜ見直しをしなければならないのか、理解できない」と違和感を隠さない。
 福井県には原発や研究施設を持つ企業、法人として関電、日本原子力発電、核燃サイクル開発機構の三つがある。プルサーマルで使う核燃料はすでに関電美浜、日本原電敦賀の両発電所で計六体を実験的に使ってきた。
 核燃サイクル開発機構の新型転換炉「ふげん」では昭和五十三年から、プルサーマル用と同種の核燃料七百体以上が無事故で燃え続けている。燃料数では世界最多だ。
 こうした実績を踏まえて高浜原発の地元高浜町の今井理一町長も「茨城県東海村の臨界事故や原発のトラブルはプルサーマルとは関係ない。高浜も燃料が不備だったというだけで、プルサーマルの必要性は変わらない」と推進論に力を込める。ただ、関電の相次ぐ核燃料の不備には大きな戸惑いを感じているようだ。
      
 「返還するのが先決。実施時期は未定としか言えません」。大阪市にある関西電力本店の広報担当は、プルサーマル計画に対する見解を尋ねると、こう繰り返すばかり。再度作り直すことが決まっている核燃料も、昨年九月の米同時多発テロの影響で、英国への返還手続きの時期は流動的になっている。
 本県や新潟県の原発に運び込まれているプルサーマル燃料はすでに国の検査に合格済み。福井県、高浜町とも「福井県がプルサーマルの第一号となる可能性は低い」との見方で一致している。

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