県内「十大ニュース」決まる


 福島民報の読者が選んだ県内十大ニュースが十六日、決まった。トップは「東電の原子炉十七基がすべて停止」だった。昨年夏に発覚した東京電力による原発トラブル隠しに伴う異常事態で、首都圏への電力供給や地元経済への影響をめぐり、県内外に波紋を広げた。「民事再生法の申請相次ぐ」(二位)「強盗事件が多発」(五位)など社会・経済情勢の悪化を象徴するニュースが上位を占める中、「美貴ちゃん肝移植に成功」(三位)などの話題が県民の心をなごませた。
 今年一年間の県内十大ニュースの上位二十項目は【別表】の通り。本県と新潟県にある東京電力の原発計十七基はトラブル隠しに伴う検査・補修などで四月十五日までに全基、運転ストップとなった。全基停止は昭和四十六年に東電が原発の運転を開始して以来初めて。
 東電と国は夏場に首都圏で電力不足が生じると予測、“電力危機”が全国的な問題として浮上した。佐藤知事は県民の安全・安心の確保を最優先し、早期運転再開に慎重だったが、地域経済に打撃を受けた立地町や県議会の意向をくんで七月十日、「苦渋の決断」で福島第一6号機の運転再開を受け入れた。
 県内ではその後、6号機を含め四基が再稼働したが、残る六基は施設にひび割れなどを抱えていたプラントで、運転再開のめどは立っていない。
 長引く景気の低迷は今年も県内に影を落とした。二月に猪苗代町の箕輪スキー場を運営するエスティティコーポレーション、八月に郡山市のホテルはまつ、十月には三島町の滝谷建設工業がそれぞれ民事再生法の適用を申請、県内を代表する企業の経営破たんが続いた。一方、郡山市のうすい百貨店は産業再生機構の支援第一号となり、三年以内の再生を目指すことになった(八位)。
 不況に追い打ちをかけるように農家を襲ったのが今夏の低温。県内の農作物の被害総額は水稲や果樹など概算で約二百四十億円に上った(四位)。
 治安の悪化も目立ち、十一月に郡山市の郡山柴宮郵便局に四人組が押し入り千八百六十万円が強奪されたのをはじめ、都市部を中心に刃物や拳銃を使った強盗事件が相次いだ。六月には二本松市長が火葬炉建設をめぐる汚職で逮捕され(九位)、九月には須賀川市で小学生女児の略取・監禁事件が発生した(七位)。
 暗い世相の中、多くの県民の善意に支えられ、米国での肝臓移植手術に成功し、富岡二小に復学した猪狩美貴ちゃん(9)の笑顔は不況にあえぐ人たちに生きる勇気と希望を与えた。大相撲九州場所では本県ゆかりの大関・栃東が二度目の優勝を果たし、本県出身力士も活躍(六位)、全日本合唱コンクールでは今年も安積黎明高、郡山二中など本県勢が優秀な成績を収めた(十位)。
 十一位以下には「教職員の不祥事続発」(十一位)「林野庁が違法伐採」(十五位)「矢吹町長、収賄容疑で逮捕」(二十位)が入り、公務員のモラルの低下が指摘された一年でもあった。