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初代の灯台や二ツ島... 戦前の映像発見 編集し学校などで上映へ 有志実行委

上映に向けて映像を編集する緑川さん
 いわき市四倉町の民家で昭和11年ごろの活気あふれる市内の様子を記録したフィルムが見つかった。有志でつくる実行委員会は現在の様子と組み合わせた映像を製作し学校や行事などで公開し、先人が古里に寄せた思いを伝える。今年は市制施行50周年。関係者は、郷土愛は復興の原動力、貴重な素材になるはずと期待を寄せる。

 フィルムは市内四倉町の主婦長谷川幾子さん(69)が自宅で大切に保管していた。撮影したのは夫の故駿(すすむ)さんの父久さん。当時としては珍しい16ミリフィルムで各地を撮影するのが趣味だった。見つかったのは15分間のフィルムが4本。かつての神谷村、薄磯村、夏井村、植田村など合併前の地域30カ所ほどを記録していた。市によると、市内の昭和初期の様子を収めた映像は少ないという。
 映像は当時の様子を生き生きと今に伝える。昭和11年4月に完成した磐城高女(現磐城桜が丘高)の小田講堂は現存していないが、映像の中では美しいと評判だった木造建造物の姿がよみがえる。今も憩いの場として親しまれている市内平の松ケ岡公園では磐城平藩主・安藤信正公の像が写る。戦後に再建される前のオリジナルだ。薄磯海岸の向こうには塩屋埼灯台が映り込む。現在より小型に見える。初代灯台で昭和13年に県内を襲った県東方沖地震で破損する以前の周辺の状況が分かる。久さんは勿来海岸の波打ち際にある大小の岩「二ツ島」にも足を延ばしていた。東日本大震災や長年の浸食で現在見えるのは一つだけ。当時、絵はがきのデザインにも採用されるほどの景勝地として知られた。
 震災で長谷川さん方は半壊となったが、奇跡的にフィルムは無事だった。郷土の歴史を調べている市内四倉町の緑川健さん(47)は、復興を目指す市民に先人が古里に寄せた思いを伝えたい-と再編集を長谷川さんに提案。実行委員会を発足させて当時と同じ場所の映像を織り込んで新たな映像作品に仕上げる作業を進めている。
 初の上映会は7月3日に市内平のもりたか屋で開く。さらに市内各地で開催する考えで、市教委の協力を得ながら小学校でも公開して未来を担う子どもに古里の歴史を紹介する。緑川さんは「古里の魅力を再発見するきっかけとなれば」と期待している。

カテゴリー:2016 いわき市

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