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復興の花 今夏初出荷 東京五輪彩りたい アンスリウム栽培に挑む高橋佑吉さん 76

栽培用のポリエステル培地を手にする高橋さん
 復興の花を大きく咲かせたい-。川俣町と近畿大(大阪府東大阪市)が取り組んでいるポリエステル培地を使ったアンスリウムの試験栽培で、同町小島の高橋佑吉さん(76)は2年前から一人で2000株を管理してきた。今夏にも初めて試験的に出荷する。町内の農家は高齢化が進み、若手後継者が少ないと感じている。ハート型をした鮮やかな花に古里の農業再生の夢を託す。

 川俣町小島の349号国道沿いに立つビニールハウス内では、鮮やかな赤や白の花が咲き誇る。「そろそろ刈り時かな」。高橋さんは花びらをわが子のように優しくなでる。
 散水と温度管理は全自動で、大阪にいる近畿大の担当者がインターネット映像で生育状況を観察している。茎の長さが約50センチ、花びらが約12センチを目安に摘み取るのが高橋さんの役目だ。幹を大きくする冬季を除き月1回、年間で7、8回収穫できるという。
 平成25年に町内にある建設会社の社長を退いた。「何か新しい挑戦を始めよう」と考えていた時、ポリエステル培地を使った花の試験栽培が始まるのを知った。農業の経験はほとんどなかったが、土いじりがないと聞き、翌年から「管理人」を引き受けた。
 アンスリウム-。なじみのない花の名に「もうからない」「やめた方がいい」と引き留める知人もいた。それでも前に進んだ。町内では跡継ぎのいない農家が次々、田畑を手放していることを知っていたからだ。このままでは古里が沈んでしまう。「新しい産業をつくりたい」との一心で、ビニールハウスに通うようになった。
 1年目は思ったより生育が悪かった。それでも下を向かず、近畿大の担当者の助言を思い出した。「1株で残す葉は2、3枚だけ」「ハウスの風通しを良くする」。日光管理にも気を配った。茎がしっかりした2年目以降は花びらも大きくなった。「川俣でも他に負けない花ができる」と自信を深めた。
 大きな夢を抱えている。4年後の東京五輪で来日する関係者のもてなしや、選手の祝福の場に飾りたい。高温に強く開花期間の長いアンスリウムは、夏に開かれる大会を鮮やかに彩ると信じている。川俣の新ブランドを世界に発信し、地域発展につなげる。

■避難解除予定 山木屋地区 寒暖差 栽培向きか
 ポリエステル培地による花の栽培を研究している近畿大農学部の林孝洋教授(園芸学)は東京電力福島第一原発事故による避難指示が今後、解除される川俣町山木屋地区で栽培すればアンスリウムは美しい花を付けるとみている。昼夜の寒暖の差が激しいためだ。
 近畿大は東京五輪関係の各種入札などで川俣町産のアンスリウムをPRし、「スポーツの祭典」への出荷を後押しする予定。

カテゴリー:2016 川俣町

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