59市町村応援プロジェクト

  • Check

自慢のパンで古里に活気を 小名浜でベーカリー経営八橋真樹さん 人気商品携え営業再開

楢葉町での営業再開を決め、パン作りに打ち込む八橋さん
 いわき市小名浜でベーカリーハウス「アルジャーノン」を営む楢葉町の八橋真樹さん(44)は楢葉町が平成29年度内に開設を計画している商業施設に出店を決めた。町での営業が実現すれば東京電力福島第一原発事故以来となる。「自分のパンが町を訪れる理由になれば」。自慢の味で再生へと歩む古里の後押しを誓う。

 八橋さんは浪江高を卒業後に東京都や大熊町で修業し、平成13年2月に「山も川も海もある最高の土地」という楢葉町の自宅隣に開業した。10年かけて双葉郡内にファンを持つ店に育てたが、原発事故で休業。10周年フェアのために仕入れた食材を残し、親戚のいる東京に避難した。
 都内でパン店に就職したが、勤務先の店は程なく倒産した。23年10月、失意のうちにいわき市の仮設住宅に移った。開店時に約1500万円でそろえた設備の賠償を求めても、減価償却済みを理由にほとんど認められなかった。
 途方に暮れる自分を町でスーパーを営んでいた男性が「仮設店舗を出さないか」と誘ってくれた。24年6月に同市平上荒川の仮設住宅に出店。避難先から来てくれる常連客に励まされ、27年5月には同市小名浜に自宅と店舗を構えた。
 開業以来一緒に携わってきた姉矢内久美子さん(49)と品数を増やしたり、サイズを調節したりと新天地での商売を模索してきた。手土産に喜ばれた「ジャムブレッド」をはじめ、楢葉に店を構えていた時からの人気商品は絶やさなかった。
 楢葉町の帰還率は避難指示の解除から1年経ても約9%にとどまっている。商業施設にはスーパーや飲食店など地元業者を中心に十数店が入る予定で、開設が当初計画より1年延びたものの生活環境の向上が期待されている。
 一時は楢葉での再開を諦めていた八橋さんも「生まれ育った町の再建に関わりたい」と町に出店を申し出た。再開後は小名浜と楢葉の2店を往来することになるが、「自分のパンが楢葉に戻った住民や一時帰宅する人の楽しみになってほしい」と意欲を高めている。

カテゴリー:2016 楢葉町

「2016 楢葉町」の最新記事

>> 一覧

59市町村応援プロジェクト 2016の最新記事

>> 一覧