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広野の「祭り」次代に 再興、継承町が後押し

震災前に行われた浜下り神事=平成20年(広野町提供)
■第1弾「浜下り神事」、27日勉強会
 広野町は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故により中断している町内の伝統行事復活へ支援に乗り出す。神社や地域で伝えられてきた行事の関係者を集めて勉強会を開き、保存会発足や、みこしの担ぎ手確保などの支援策を進める。第1弾として町の春の風物詩となっていた浜下り神事の再興などを目指したワークショップを27日に開く。

 町は伝統行事が住民の絆を強め、心の復興につながる重要な宝と考えた。さらに伝統行事は町民と、今後福島第一原発の廃炉作業や復興事業に携わるために町に移り住む住民との交流を深める契機になるとみており、伝統行事の復活が今後のまちづくりを進める上で不可欠と判断した。
 町によると、震災前は町内の集落単位で10~20の伝統行事が催されていたが、いずれも震災と原発事故後は中断している。勉強会では出席者から伝統行事の特徴や復活への思い、さまざまな課題などを聞いた上で、復活に向けた行政の支援策を検討する。町は保存会の設立支援をはじめ、関係機関との調整、行事がまちづくりに果たす役割のPRなどを想定している。
 最初の勉強会で検討する浜下り神事は町内を流れる浅見川の下流域にある男神の鹿嶋神社(同町下浅見川)のみこしと、上流域にある女神の大滝神社(同町上浅見川)のみこしが町内で合流し、太平洋で身を清め五穀豊穣(ほうじょう)を祈る神事で、太鼓と笛の音から「タンタン ペロペロ」とも呼ばれる。記録によると少なくとも明治初期には始まっており、130年以上の歴史があるとされる。毎年4月に行われ、春の訪れを知らせる行事として定着していた。
 勉強会は毎年開催している国際フォーラムの一環として27日午前10時から町公民館で開く。鹿嶋神社や大滝神社の関係者のほか、今後復活を目指す弓矢の神事「百矢祭」を催している亀山神社(同町折木)、今年社殿を改築し、伝統的な祭礼を催していた八雲神社(同町折木)の関係者らも参加する。県内の歴史ある行事や芸能に詳しい県文化財保護審議会委員の懸田弘訓さん(79)が基調講演し、助言する。
 勉強会や行事復活の支援を担当する町放射線対策課長の中津弘文さん(59)は「伝統行事の復活は町民にとっても明るい話題になる。課題もあると思うが、可能な限り支援したい」と話す。
 鹿嶋神社氏子総代の根本賢仁さん(69)は「祖先から引き継いできた伝統をなくすわけにはいかない。復活すれば住民の古里への愛着が強まる」と期待を寄せている。

カテゴリー:2016 広野町

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