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ゆかりの地で 人形浄瑠璃 「安寿と厨子王」 地域振興夢膨らむ

広野町で上演された人形浄瑠璃「山椒太夫」
 「安寿と厨子王」伝説をもとにした人形浄瑠璃「山椒太夫」は5日、二人の乳母・竹女(たけじょ)が生まれたとされる広野町で上演された。町民ら約150人が詰め掛け、母と子の絆や姉弟愛を描いた古里ゆかりの物語を楽しんだ。これを機に、町観光協会の関係者は安寿と厨子王の伝説が残る全国の自治体と交流会を開催するなどして、一層の地域振興を図ろうと夢を膨らませている。

 町と町教委の主催、福島民報社の共催。東京福島県人会の上竹実副理事長(福島市出身)が、新潟県などで活動している猿八座の「山椒太夫」を監修する川村知行上越教育大名誉教授に働き掛けて実現した。
 公演は町公民館で行われ、川村名誉教授が猿八座の特徴や物語のあらすじを紹介した。西橋八郎兵衛座長が人形の操作方法などを解説した。
 安寿と厨子王、母、竹女らが都に出発する「信夫の里」(現・福島市)の場面で開幕。母子らが人買いに遭い生き別れになる「直井の浦」(現・新潟県上越市)や、丹後国由良(現・京都府宮津市)の山椒太夫に捕らえられた安寿と厨子王が逃亡を決意する「姉弟山別れ」、成長した厨子王と母との佐渡での再会が演じられた。山椒太夫を成敗した厨子王が、父母とともに古里・岩城(現いわき市)に凱旋(がいせん)する一幕も初めて上演された。
 母子らが生き別れになる場面では、ハンカチを目頭に当てる町民の姿が目立った。最前列に座った町内上浅見川の無職根本ますさん(88)は「かわいそうで涙が止まらなかった」と振り返った。祖父母、妹と訪れた広野小4年の小野雄太郎君(9つ)は「人形の立ち回りが迫力満点で面白かった」と笑顔を見せた。遠藤智町長も観賞し、「古里の祭りや伝説の価値を発見し、次代に継承することで町民の絆が強まる。復興を目指す新たなまちづくりにとって重要だ」と語った。

■「サミット」開催目指す
 広野町観光協会は福島市、いわき市をはじめ新潟県上越市など、全国の安寿と厨子王ゆかりの地の関係者が交流する「安寿と厨子王サミット」(仮称)の開催を目指す。
 鈴木正範会長(71)が福島民報社の取材に対し、各地に実現を働き掛ける意向を示した。猿八座の町内での定期的な公演も検討するという。「今回の舞台は町民が古里の歴史や文化を再認識するきっかけになった」と意義を強調した。

カテゴリー:2016 広野町

古里ゆかりの物語に大きな拍手を送る町民ら

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