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大正期の洋館再開 28日、解体危機乗り越え 地域の交流拠点に

スタッフとともに館内を飾り付ける大木さん(右)
 矢吹町にある大正期の洋館「大正ロマンの館」が28日、地域の魅力発信拠点に生まれ変わり、約半世紀ぶりに再開館する。昭和40年代以降は空き屋で、東日本大震災では全壊判定を受けた。解体の危機を経て、復興の象徴として整備された。運営団体代表の大木志保美さん(50)は「時代と震災を乗り越えた生き証人。笑顔あふれる施設にしたい」と意気込んでいる。

 大木さんは町内で150年続く老舗酒造業「大木代吉本店」の長女に生まれた。震災で酒蔵などが壊れ、神戸市から復旧に当たるために帰郷した。周囲に目を向けると大勢の町民有志がボランティアで古里の復興に汗を流していた。
 自分にも何かできないか-。
 自然とボランティアの輪に加わるようになった。その過程で大正ロマンの館が大きく壊れたのを知った。幼い頃から眺めて育ってきた建物だった。胸が痛んだ。建物の寄付を受けて町が復興の象徴として整備し、運営する指定管理者を募っていると聞いて、すぐに手を挙げた。
 昨年12月に任意団体「マルベリーフィールズ」を発足させ、有志に声を掛けた。「地域の魅力を発信して、かつて奥州街道の要衝として栄えた町ににぎわいを取り戻す」と目標を定めた。1階は地元産食材を使った軽食コーナーとし、地元の子どもたちでにぎわうよう2階に学習スペースと各種団体に開放する貸会議室を設けた。常に人々でにぎわう光景を思い描いている。28日に向けて植栽や館内の飾り付けなど忙しい日々だが、充実した時間を送っている。
 うれしい知らせもあった。親交のあった「分とく山」総料理長として有名な野崎洋光さん(古殿町出身)がオリジナル菓子の監修を快諾してくれた。大木さんは「訪れた人が前向きな気持ちになれるような空間をつくりたい」。明るい笑顔を浮かべた。

■震災で「全壊」判定

 大正ロマンの館は大正9(1920)年に「屋形医院」として建てられた。木造2階建て延べ床面積は約180平方メートル。ワシをかたどったレリーフやしっくいの装飾などを備えるモダンな様式だ。しかし、閉院した昭和40年代以降は無人で空き屋となっていた。
 大正時代の雰囲気を今に伝える貴重な建物として残されてきたが、震災で壁が剥がれ、窓ガラスも割れるなどして「全壊」の判定を受けた。倒壊の危険を回避するため解体する案も浮上したが、町は復興の象徴として改修を決断。所有者から建物の寄付を受けて修復し、今月上旬に完了した。

■「分とく山」野崎さん記念講演

 住所は矢吹町本町161の7。28日午前9時から現地でオープニングセレモニーを行う。同10時半から町内のホテルニュー日活で「分とく山」総料理長の野崎洋光さんが記念講演する。入場無料で定員は150人。
 マルベリーフィールズが手掛ける1階の軽食コーナーは30日にオープンする。厚切りミートローフや地元野菜を使ったスープなどがセットになったランチ(税込み980円)、野崎さん監修の「ごま豆腐の黒蜜ソースがけ」(同350円)などを提供する。開館時間は午前10時から午後7時まで。毎週火曜日は休館日。問い合わせは同館 電話0248(21)8883へ。

カテゴリー:2016 矢吹町

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