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教育旅行 復活目指す 農家民宿「はなの宿」経営 根本良子さん

スクラップブックを眺め、笑顔を見せる根本さん
 鮫川村で農家民宿「はなの宿」を営む根本良子さん(64)は東日本大震災前に千葉県の小学生を教育旅行で受け入れたのをきっかけに、平成26年に開業した。震災と東京電力福島第一原発事故の影響で旅行は途絶えたが「いつか再開させ、村で子どもたちの笑顔が見たい」と思い描く。

 「いや、うんめえなぁ」。11月下旬、「はなの宿」に平田村など近隣の町村で農家民宿を始めた仲間、開業を目指す友人がレシピの研究に集まった。刺し身こんにゃく、じゅうねんのおはぎ...。食卓には、それぞれが地元食材を使った自慢の家庭料理を並べた。
 根本さんら村内の7軒で村農家民宿連絡協議会を組織している。宿泊者数は徐々に増え、今年は約200人を見込む。ただ、大規模な学校は受け入れられない。根本さんは民宿の仲間を増やし、村を中核として県南地域で教育旅行ができるよう環境づくりを進めている。
 22年7月、国の「子ども農山漁村交流プロジェクト」で、6年生の児童48人を村内西山地区の農家13軒に招いた。根本さんもその一人。初めて家で「客」をもてなした。男児3人と2泊3日を過ごし、帰る時には「お母さん」と呼ばれた。しかし、翌年への期待は震災と原発事故で打ち消された。
 25年度の福島民報社の「うつくしま復興大使」となり、愛媛、高知両県を訪れた。温かい言葉に後押しされ、一度は諦めかけた教育旅行復活に向けて歩み始めた。26年2月に農家民宿の開業許可を取得した。
 男児はもう高校3年生になった。今も家族ぐるみで交流を続けている。根本さんのために、男児が自分の住む街を写真や文章で紹介したスクラップブックは大切な宝物だ。根本さんは「これからも一つ一つの出会いを大切に、村の良さを広めていきたい」と懐かしそうにページをめくった。

カテゴリー:2016 鮫川村

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