59市町村応援プロジェクト

  • Check

漁船新造、家業守る 亡き父に「前進」誓う

明神丸の再建を喜ぶ(後列右から時計回りに)文弘さん、共子さん、直子さん、浩平さん、文也さん、貴洋さん
 南相馬市鹿島区の漁師遠藤文弘さん(50)は東日本大震災の津波で失った漁船「明神丸」を再建した。津波で自分も流された上、父で漁師の直(ただし)さん=当時(70)=を亡くした。それでも、代々続く家業を絶やすまいと前を向き、完成にこぎ着けた。28日、鹿島区の真野川漁港で進水式を行い、家族全員と仲間約80人で新たな船出を祝った。「本格操業の再開と漁業復興に力を尽くす」と気を引き締める。

 遠藤家は半世紀以上続く漁師の家系だ。元々、文弘さんは会社員だった。同じ相馬農高に通っていた直子さん(48)と結婚し、後継ぎのいなかった遠藤家に婿入り。長男貴洋さん(28)の誕生をきっかけに漁師になった。
 平成23年の震災当日、海に出ていた文弘さんは津波を受け、船外に放り出された。奇跡的に助けられたが、直さんの死と東京電力福島第一原発事故により、漁の再開は見通せなかった。
 「長年続く家業を震災のせいで絶やすことはできない」。三男文也さん(22)が後継ぎになると決意してくれたのを契機に、文弘さんは再起を決めた。新たな明神丸は4・9トンで、地元の造船会社「鹿島造船」に依頼して造った。
 進水式の日は、やや強い風が吹く中、生まれ変わった漁船が陽光きらめく海原に船出した。色とりどりの大漁旗をなびかせ、力強く進んだ。船には文弘さんと文也さんを励まそうと貴洋さんと次男浩平さん(26)も乗り込んだ。直子さんと母共子さん(74)は港から雄姿を見つめた。
 進水式を終え、文弘さんは「みんなの協力があってここまで来た。家族で復興を盛り上げたい」と決意を新たにした。「父ちゃんも喜んでくれているはず」。直子さんと声をそろえた。

カテゴリー:2017 南相馬市

「2017 南相馬市」の最新記事

>> 一覧

59市町村応援プロジェクト 2017の最新記事

>> 一覧