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特産「会津桐」再生へ 専門員配置し生育管理

 三島町は平成29年度から町のシンボル・キリの再生プロジェクトに乗り出す。生育状況を管理する専門員を配置して高品質のキリを安定的に生産する手法を確立する。「三島産会津桐」のブランドを再び発信し、先人が築いた日本一の「桐の里」の景観を守りながら地域資源を生かした産業振興につなげる。
 キリは他の木材と比べて軽く、湿気に強いのが特徴で高級木材として箪笥(たんす)の材料などに使われる。特に三島産は全国的に寒冷地特有の目の細かいキリとして人気が高かった。伐採まで20~30年と他の樹木に比べて生育が早いが、病気に弱く、質の良い木材に仕上げるまで管理が難しい。町はキリの生産管理を担う専門員一人を雇用し、町内のキリの生育状況を1本ごとに記録する。良質なキリを生産する手法の調査や研究を進め、生産拡大に向けた礎を築く。
 町は現在、大石田、西方両地区などに約5~6ヘクタールの植栽地を設け約300本のキリを栽培・管理している。今後は専門員の管理の下、さらに面積を拡大する。町が出資しキリ製品の製造・販売を担う「会津桐タンス株式会社」と連携して新たな販路開拓を進め、キリの生産から販売まで一貫した供給体制をつくる。28年度からは県の木(森)に由来する伝統文化継承事業として5人の研修生を迎えてキリの栽培研修を行っており、後継者育成にも力を入れる。
 町によると、町内では最盛期だった昭和40年代に約6万本のキリが生産されていたが、中国産など安価なキリの輸入に伴う価格の下落で生産量も10分の1以下にまで減少した。現在は国内シェアの99%を外国産が占める。かつては1本200万円の高値が付くこともあったが、今では20万円がやっとだという。
 外国産のキリに対し国産のキリは頭打ちの状態が続いている。国産としてより質の高いキリの生産を拡大できれば、文化財の保存など国内での需要が見込めるという。
 町内には女児が生まれると家の庭先にキリの木を植える風習が今も残っている。宮下地区の一部などで毎年5月ごろに薄紫色の花をめでることができる。キリの景観は「日本で最も美しい村」連合に加盟する要素にもなった。
 矢沢源成町長は「地域資源としてキリを守り次世代につなぐ使命を町民運動として展開したい。町としての文化継承が地方創生の一つになるはず」と期待を込める。

カテゴリー:2017 三島町

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