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こま犬の名工 寅吉に光 浅川町民有志が顕彰会

白河市東の鹿島神社にある小松寅吉作のこま犬
 浅川町民有志は明治時代に町内を拠点に技巧を凝らしたこま犬などを制作した石工・小松寅吉に光を当てる活動を始めた。こま犬彫刻を芸術の域まで高めた名工を顕彰する「あさかわ寅吉会」を設立した。町内の寺社仏閣などを調査し、全国のファンを魅了した寅吉の埋もれた作品を探す。平成30年夏にもシンポジウムを開催し、浅川を全国に発信する。
 寅吉のこま犬は雲に乗って空を飛ぶ「飛翔獅子」のスタイルで、一般的な、座っている形とは異なる。一つの巨大な石から躍動感あふれる獅子を細かに彫り出して雲の装飾を施すなど、高い技術が駆使されている。
 福島市出身のこま犬研究家で作家のたくきよしみつさんが著作で紹介し、観光ツアーが企画されるなど全国のファンから根強い人気を誇っている。
 相田道代会長(59)ら町内の会社経営者ら有志7人が寅吉にスポットを当てて、地域活性化につなげようと会を結成した。
 現在、寅吉作とされる作品は県南地方を中心に石像や灯籠、墓石など40数体が確認され、栃木県や京都市にも残されている。こま犬は白河市や中島村などに7体あることが分かっているが、浅川町では見つかっていない。会員は町内の寺社仏閣を巡って調査し、作品を探している。
 寅吉は、作品の出来栄えが気に入らないと制作をやめ、土に埋めたといわれる。制作拠点だった福貴作(ふきざく)地区の集会所敷地内には十数年前に地区民が掘り出した未完成の仁王像が展示されている。他にも埋められている作品があるとみられ、関係者から聞き取り調査をする。
 発掘された仁王像の写真を使ったポスターを夏ごろまでに制作し、町内外に配布する。30年夏ごろに専門家らを招いたシンポジウムを開き、作品の魅力や寅吉の生涯を広く知ってもらう。現在は有志が資金を出し合いながら活動しているが、今後は企業の協賛を募り、町や県などの補助金活用の方法も探ることにしている。
 寅吉や弟子の小林和平のこま犬を研究している石川町の郷土史家吉田利昭さん(81)は「寅吉の石造物は精巧で芸術性が高い」と評価する。相田会長は「子どもたちにも地域の名工を知ってほしい。芸術教育にもつながれば」と期待を込めた。

 小松 寅吉(こまつ・とらきち) 弘化元(1844)年、山形村(現石川町)に生まれる。高遠藩から浅川町福貴作地区に移り石工をしていた小松利平に弟子入りした。明治25(1892)年、中島村の川田神社に奉納したこま犬が最初の作品とされる。白河市東の鹿島神社のこま犬は傑作とされている。高度な技術が必要な細かな文様や透かし彫りを得意とした。弟子の小林和平とともにこま犬は芸術作品として評価されている。大正4(1915)年に死去。 

■小松寅吉の主な作品(制作年順)
▼こま犬 
・中島村川原田 川田神社
・白河市借宿 羽黒神社
・白河市東 鹿島神社
・鮫川村赤坂西野 熊野神社
・白河市舟田 角折神社
・白河市七番町 金刀比羅神社
・須賀川市牡丹園 須賀川牡丹園(制作年不詳)
▼石像
・栃木県那須塩原市 雲照寺の観音像
・浅川町浅川 永昌寺の不動明王像
・須賀川市旭町 旭宮神社の恵比寿像
・石川町沢井 長福院の毘沙門天像
▼石柵
・白河市借宿 羽黒神社境内の松平定信公歌碑の石柵
▼石柱
・京都市 西明寺の阿育王石柱

カテゴリー:2017 浅川町

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