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廃校をカフェに 地元食材で家庭料理 塙

メニューを考える佐藤さん(右から2人目)ら
 阿武隈高地の山あいにある塙町那倉字矢塚地区の主婦らでつくる「矢塚明日香(あすか)塾」は、廃校となった旧片貝小矢塚分校に10月中旬に「ふるさとカフェ矢塚分校」をオープンする。地元食材を使った家庭料理などを提供する予定で準備を進めている。過疎と高齢化が進む地域に憩いの場を設け、にぎわいと住民への生きがいづくりを目指す。

 「矢塚明日香塾」は地元の主婦や会社員、農家ら40~60代の15人が会員。カフェにする校舎は平屋で、音楽室を改修した厨房(ちゅうぼう)に調理師免許を持つ主婦らが立ち、新鮮な高原野菜や山菜を食材にした多彩な料理を振る舞う。
 食事は職員室や教室のスペースで楽しんでもらう。校舎には校歌のボードや黒板のほか、卒業生の彫刻作品などが飾られている。佐藤秋江さん(67)は「会員のほとんどがこの学校の卒業生。母校を拠点に地域おこしができてうれしい」と喜ぶ。このほか、会員が各世帯で栽培している多年草「ルバーブ」のジャムや高原トマトのジュースなどの加工品を製造、販売する計画だ。
 校舎は標高700メートルに位置し、塙町と茨城県高萩市をつなぐ県道沿いに立つ。町中心部からは山道が続く約20キロの道のりで、車で約40分かかる。通行客にも利用してもらえるように、今後、メニューやサービス内容を検討していく。オープン当初は塾が企画する芋煮会などのイベントに合わせて月1回のペースで開店しながら、日数を増やしていく。

■にぎわい創出に期待

 旧片貝小矢塚分校は1951(昭和26)年に開校し、過疎化に伴う児童数の減少などで2012(平成24)年3月末で閉校になった。地元の有志が「校舎を残したい」と町に要望し、2015年に一般社団法人として「矢塚明日香塾」を設立した。2016年度に町から校舎の管理業務の委託を受けた。
 塾では毎月15日に高齢者を校舎に招き、サロン「じゅうご会」を催している。お年寄りにもカフェを手伝ってもらうよう働き掛けている。毎月のように会に参加している池田セツ子さん(76)は「定期的にみんなの顔を見ると元気がもらえる」と新たなカフェの取り組みに期待する。
 矢塚地区は高齢化率が50%を超え、町は今後の人口の自然増を見込みにくい地区としている。2015年12月まで、町の地域おこし協力隊が校舎を拠点に活動し、県内外から来る若者の体験活動を受け入れていた。
 藤崎進一代表(56)は「こんな山奥に若者が来ることがうれしかった。私たちの学びやをまた、にぎやかな場所にしたい」とオープンを夢見る。

カテゴリー:2017 塙町

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