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「織姫」の心と技紡ぐ 唯一のからむし織指導員 羽染桂子さん

からむしの糸を作る羽染さん。指導員として織姫の活動を支えている

 昭和村の伝統文化からむし織の後継者を育成する体験生(織姫)制度で、1995(平成7)年に織姫2期生だった羽染(はそめ)桂子さん(44)=岩手県花巻市出身=は村に定住し、唯一の指導員として織姫の活動を支えている。「村の人に教わった織姫の心と技を次世代に継承したい」との思いで後輩を指導している。織姫制度は来年で開始から四半世紀を迎えるが、伝統文化を守る思いは着実に受け継がれている。
 羽染さんは会津大短期大学部を卒業し、1995年に織姫2期生として村に来た。からむしの皮から繊維を取り出す「苧(お)引き」に初めて挑戦した時だった。村のお年寄りが手際よく皮を剥ぐと、美しくきらめく繊維が現れた。いざ自分でやってみると繊維は光沢に乏しく、全然うまくできなかった。「同じからむしのはずなのになぜ...。からむしをもっと深く学びたい」。村に残ることを決めた。
 1年間の織姫の活動終了後も村民のからむし畑の仕事を手伝いながら、からむしの管理方法や苧引きの技術などを学んだ。教えてくれるお年寄りとは年は離れていても、「からむし」の話題になると会話が弾んだ。村民と家族のような付き合いを重ね、現在は畑を引き継いで良質なからむしの栽培を手掛けている。
 村の男性と結婚し、3人の子どもに恵まれた。子育てが一段落した2014年に村から織姫指導員の打診があった。「これまで面倒を見てくれた村の人たちに恩返しする番」と快諾した。平日は午前9時から午後5時まで村内のからむし会館で織姫の技術指導に当たるとともに織姫と村民との交流の橋渡し役も担っている。
 織姫の基本作業はからむしの繊維を細く裂いてつなぐ糸作りだ。「心が乱れていると平らな糸はできないよ」。織姫時代に自分が先輩から感銘を受けた言葉を後輩たちに伝えている。昨年まで羽染さんの指導を受けた織姫12人のうち8人が村に定住しているという。
 今の仕事は、自分が培った技術と経験がそのまま村の財産となるため、やりがいを感じている。ゆくゆくは、からむしを織る伝統の手法で、織り手が地面に座って織る地機(じばた)織りを極めたいと考えている。「村に残って、からむし織に関わりたいと思う人が1人でも増えてくれるとうれしい」。かつて自分が村民から温かく迎えてもらったように、今は村民として織姫に寄り添うつもりだ。

■25期生募集 10月末まで

 昭和村の織姫制度は1994(平成6)年度に始まった。体験生は今年度の24期生を含め113人。このうち111人が村外出身者で、活動を終えた後も村内で働いたり、結婚したりして約30人が村で生活している。会津全体で見ると約40人が残っている。
 村は10月31日まで、25期となる来年度のからむし織体験生(織姫)を募集している。
 来年5月から11カ月間、からむしの栽培から織りまでの一連の工程を体験する。村の施設で共同生活をしながら村民と交流を深め、山村の暮らしの文化なども学ぶ。
 定員は6人。来年4月1日時点で18歳以上の人が対象で、性別や経験は問わない。写真を貼った履歴書と800字程度の応募動機を村役場に郵送または持参するか、電子メールで申し込む。応募先は郵便番号968-0103 昭和村下中津川字中島652、昭和村役場からむし振興室。電子メールはkaramushi@vill.showa.fukushima.jp
 問い合わせは村からむし振興室 電話0241(57)2116へ。

カテゴリー:2017 昭和村

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