本宮市、来年度から中学生をロンドンに派遣

本宮市は英国との国際交流を柱にした人材育成に本格的に取り組む。2018(平成30)年度から中学生をロンドンに派遣し、語学研修や異文化体験、大学訪問などを通して国際的な感覚を養ってもらう。将来的に市の奨学金で高校生や大学生らの短期留学を支援する取り組みも検討し、古里の将来を担う若い力を育てる。
市は7月、英国ロンドンのケンジントン&チェルシー王立区と庭園整備をきっかけにした国際交流に関する協定を結んだ。国際的な視野を持つ人材育成のチャンスと位置付け、派遣事業を具体化させる。
派遣する中学生は市内の本宮一中、本宮二中、白沢中の全3校から数人ずつ選ぶ。現地では語学研修や同年代の生徒との交流、さまざまな異文化体験活動に取り組む。県と相互交流の覚書を交わしている世界有数の総合大学ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(UCL)への訪問も盛り込む計画。
在英県人会ロンドンしゃくなげ会(満山喜郎会長=白河市大信出身)が生徒の受け入れや研修先の選定などで協力する。市は関連経費を2018年度の一般会計当初予算案に盛り込む考えだ。
高校生や大学生の英国留学への支援は市内在住・出身者を対象に検討する方向。市の奨学金は給付型と貸与型の2種類あり、英国留学に当たっては給付型の新たな制度をつくる構想もある。
■友好都市と交流専任部署新設へ
市はケンジントン&チェルシー王立区など国内外の友好都市との交流に専念する部署を2018年度に新設する検討も進めている。友好都市からの訪問団の受け入れ態勢などを整え、交流に弾みをつけたいとしている。
■英国訪問団 現地で交流
本宮市の初の国際交流事業となった英国訪問団(団長・高松義行市長)は7月18日から22日までの日程でロンドンを訪れ、同市の英国庭園とケンジントン&チェルシー王立区の福島庭園との間で姉妹庭園協定を結んだ。本宮、大玉両市村の中学生11人が団員として参加し、現地で交流を深めた。
福島庭園は福島民報社が実施した復興大使ロンドン五輪派遣事業を機に設けられた。英国庭園は英国王室ウィリアム王子が同市を来訪したのを契機に整備が決まり、11月4日に開園する。
(カテゴリー:2017 本宮市)