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国際認証で販路拡大へ モモ農家 羽根田幸将さん(28) 高い安全基準クリア 「東京五輪で提供したい」

「福島のモモのおいしさを世界に発信したい」との思いを込め、剪定作業に汗を流す羽根田さん
 農産物の安全性を客観的に評価する国際認証「グローバルGAP」を取得した桑折町のモモ農家羽根田幸将(ゆきまさ)さん(28)は、国際認証を生かし国内外への販路拡大を目指している。県内のグローバルGAP取得は羽根田さんを含めわずか3件で、高い審査基準をクリアした。「安全への取り組みを続け、2020年東京五輪の選手村で自分が栽培したモモを世界中の人に提供したい」との思いを描いている。

 羽根田さんは聖光学院高、山形大教育学部卒で、大学卒業後に山形市職員となった。「農業で福島復興の力になりたい」と山形市職員を辞めて古里に戻り、2015(平成27)年春に祖父の代から続く実家の「はねだ桃園」に就農した。
 就農して感じたのは、東京電力福島第一原発事故に伴う農産物への根強い風評だった。最高の品質のモモを作って出荷しても、原発事故前の価格にはなかなか戻らない現状を打開したかった。「風評払拭(ふっしょく)には安全性の認証が必要だ」と考え、就農直後からグローバルGAP取得の準備を始めた。
 グローバルGAP取得には、モモの作付け本数や品種ごとの収穫量、水質調査、放射能検査、近隣農家が何を作っているかなど、モモ栽培の安全性に関する240項目についてデータ化し審査を受けなければならない。羽根田さんは準備から約1年半という異例の早さで、昨年9月にグローバルGAPを取得した。現在、1年の更新時期を迎え、審査結果を待っている。
 国際認証を生かした販路拡大策として今春からインターネット通販サイトでの販売を始め、目標にしていた高価格帯で20箱の販売を達成するなど成果は上がっている。来年から本格的に輸出し海外に販路を広げるため、流通業者などとの協議を進めている。
 県によると、8月末時点の県内の取得件数は、グローバルGAPが3件、国内版のJ-GAPが10件。県と県内59市町村、各種団体でつくる「東京2020五輪・パラリンピック復興ふくしま推進会議」は東京五輪の選手村などで提供する食事に県産農産物を活用してもらうため、GAP取得を推進している。
 羽根田さんは「東京五輪の選手村で提供する農産物にGAP取得が条件になる可能性もある。厳しい審査に基づいて生産している証明が消費者の安心につながるはず」と話している。

※GAP(ギャップ)
 農業生産工程管理を意味する英語で、Good Agricultural Practice(グッド・アグリカルチュラル・プラクティス)の略称。農家が食品の安全性や環境保全、労働安全などに配慮して営農していることを認証する。県は東京五輪パラリンピックが開かれる2020年度までに都道府県別のGAP取得数で日本一を目指している。グローバルGAPとJ-GAP合わせて141件、県GAPは220件の認証取得を目指す。

カテゴリー:2017 桑折町

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