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山菜シドケ栽培軌道に 新たな特産目指す

露地栽培のシドケを手入れする岡部さん
■農業 岡部六三郎さん
 古殿町山上の農業岡部六三郎さん(73)は町内でただ1人、山菜シドケの露地栽培を軌道に乗せた。今年春、町内の道の駅などに初めて出荷したが、天然物のような柔らかさと豊かな香りが評判を呼んだ。シドケは連作が難しく、生産農家が減少している中、「町の新たな特産として全国に売り出したい」と張り切っている。

○豊かな香り評判
 岡部さんは以前からビニールハウス約35アールで、シドケとウルイを栽培し、年間1トンずつを出荷してきた。シドケは種をまいてから3年目で収穫できるが、同じ畑で作り続けると品質が落ちる。このため、町内の山菜農家の多くは栽培をやめ、ウルイに軸足を移している。古里伝統のシドケ栽培を守り、天然に近い味を追求しようと、所有する杉林に約10アールの畑を作り、2015(平成27)年に露地栽培を始めた。 
 ハウスと異なり露地で山菜を育てるのには手間がかかる。妻光子さん(71)と一緒に生育状況を小まめに見て回り、除草や霜よけの対策を続けてきた。今年春、2年越しで収穫したシドケはハウス栽培に比べ手に持った感触が柔らかく、独特の香りが強かった。検査で放射性物質は検出されなかった。
 約100キロを道の駅ふるどのなどに初出荷したところ、購入者から「おいしかった」と声を掛けられた。「良い物を作れば食べた人は喜んでくれる。うれしかった」と振り返る。町内に希望する農家があれば、露地栽培の技術を指導するという。
 岡部さんはかつてコメや葉タバコ、コンニャクを生産していた。1984(昭和59)年からシドケとウルイ栽培に取り組み、町内の山菜農家でつくる「やまかみ山菜研究会」の中心的な存在となっている。東京電力福島第一原発事故が起きた2011年、栽培したシドケが風評で売れず多くを廃棄した。その年の冬、市場に出荷したウルイは半額程度の値段しか付かなかった。
 それでも、味の良い山菜を食卓に届けたいと生産を続け、現在の売り上げは原発事故前の水準に戻ったという。「古殿の山菜を守る。全国の人たちにこの味を知ってほしい」。これからも挑戦を続ける。

※シドケ キク科の多年草で正式名称はモミジガサ。国内では秋田県や山形県などが主要生産地。春先には茎が20センチ程度になり、3月から5月にかけて収穫期を迎える。独特の香りとほろ苦さが特徴。おひたしや天ぷらなどに調理するのが一般的だ。

カテゴリー:2017 古殿町

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