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昭和漫画館青虫館長高野さんに功労賞 文化庁メディア芸術祭 戦後文化の継続評価

収集した約2万冊の漫画本を紹介する高野さん
 只見町の昭和漫画館青虫は戦後の漫画本約2万冊が閲覧できる国内でも珍しい図書館で、研究者やファンが訪れる。貴重な資料を収集し、施設を運営してきたことが評価され、館長の高野行央さん(68)は今年度の文化庁メディア芸術祭功労賞を受けた。

 壁一面の書棚に隙間なく漫画本が並ぶ。戦後の昭和期に発行されたものが中心で、タイムスリップしたような感覚になる。少女向け雑誌や怪談もの、冒険ものなどがずらり。手塚治虫さんや水木しげるさんらの初期の作品もある。高野さんは「『きれいに保存されている本が多い』と驚かれる」と誇らしげに館内を紹介する。
 横浜市で会社員をしていた高野さんが青虫を開設したのは2006(平成18)年。20代から収集してきた漫画本が横浜市の自宅に置き切れなくなり、展示できる物件を探した。只見町に元教会の木造の建物があることを知り取得、修繕して蔵書を持ち込んだ。
 青虫の特色は昭和30年代に全盛だった「貸本漫画」が充実していること。当時、書店販売用とは別に貸本専用の漫画本があり、若者は安価に読める貸本屋を多く利用していた。その後、貸本屋は街から消え、貸本漫画は今では貴重な存在になった。国内外の研究家が訪れるほか、テレビドラマや映画製作のため貸し出すこともある。
 来館者が棚の本を自由に手に取ることができる「開架式」図書館でもある。書庫に収める「閉架式」を取らなかったのは、「漫画は人に読まれてこそ」という高野さんの思いからだ。
 とはいえ、来館者がゼロという日は珍しくなく、冬は豪雪のため休館する。運営は苦しい。高野さんは町内でアルバイトするなどして運営費用を賄っている。功労賞の贈賞理由に「援助もなく運営努力を続けること10年余。(中略)功労賞に最もふさわしい」とある。高野さんは「素直にうれしい」と喜ぶ。
 今後は納戸を改修して展示スペースを拡張し、漫画本を一層充実させる考え。昭和が幕を閉じて間もなく30年。青虫は若者らが夢中になった戦後文化を守っている。

■開館日は金、土、日、月曜日。時間は正午から午後5時まで。冬季は休館し、今年は10月の最終日曜日の29日まで開館する予定。入館料は1時間ごとに一般500円、小中高生300円。問い合わせは昭和漫画館青虫 電話0241(82)2779へ。

カテゴリー:2017 只見町

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