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古写真地域知る宝 榎本千賀子さん(新潟大研究員)移住し収集

金山町に眠る古い写真の収集に励む榎本さん

 新潟大研究員の榎本千賀子さん(36)=東京都出身=は金山町に移住し、町内に眠る古い写真の収集・保存を通じ、かつての人の営みや文化を伝える活動を続けている。住民から沼沢湖のヒメマス漁などに関わる約4000点を集めた。町教委は今年度、榎本さんの取り組みを「『村の肖像』プロジェクト」として事業化した。古里の魅力を発信する素材として活用し、人を呼び込むきっかけとする。
 沼沢湖で行われていたヒメマスの地引き網漁、名産の桐(きり)材の前に立つ職人、日中戦争で亡くなった住民を弔う村葬...。榎本さんが集めた約4000枚のスナップには、明治から昭和にかけての金山町の風物、人々の暮らしが収められている。
 榎本さんは一橋大商学部在学中に写真の魅力にみせられ、同大大学院言語社会研究科で写真を基にした時代考察を始めた。新潟県南魚沼市六日町で幕末から明治初期に撮影された写真の調査を進めていた縁で、2013(平成25)年に新潟大助教に採用された。同大地域映像アーカイブ研究センターで古い写真のデジタル保存化を進め昨年、同大研究員となった。
 2013年から金山町に足を運ぶようになった。1950年代から趣味で町内を撮影し続けている町民の角田勝之助さん(88)を知ったのがきっかけだった。その作品から住民の温かさが伝わってきたという。「中山間地域で紡がれてきた濃密な生活をもっと深く知りたい」と心を動かされた。
 昨年5月、町内の空き家を借りて移住し、写真の収集を本格化させた。民家を訪ね歩き、町の協力を得て広報誌で呼び掛けるなどして提供を呼び掛けた。集まった一枚一枚をパソコンに保存している。今後も活動を続ける考えだ。
 地道な取り組みは行政を動かした。町教委は「『村の肖像』プロジェクト」として、榎本さんが集めた古い写真を掲載した冊子を作成する。子どもたちに郷土の歴史や文化を教える教材として活用する。観光施設などにも置いて「郷愁の里」をアピールし、町への移住に関心を持ってもらう呼び水とする。
 4月に町教委臨時職員となった榎本さんは「写真から見えるかつての暮らしを土台に、まちおこしを考えてもらえればうれしい」と期待する。渡部伸町教育次長は「町の歴史を物語る写真を教育や古里の魅力発信に役立てたい」と話している。

■「村の肖像展」来月スタート 金山と新潟
 榎本千賀子さんが金山町で収集した写真を紹介する「村の肖像展」は11月から来年1月まで、新潟市と金山町で開かれる。
 期間は新潟市の砂丘館と新潟大旭町学術資料展示館の2カ所で11月17日から12月10日まで、金山町開発センターで12月22日から来年1月14日まで。収集した約4000点の中から100点ほどを展示する。榎本さんが現在の金山町を写した作品も並べる。
 いずれも入場無料。開館時間、休館日は会場によって異なる。問い合わせは砂丘館 電話025(222)2676、新潟大旭町学術資料展示館 電話025(227)2260、金山町開発センター 電話0241(54)5361へ。

カテゴリー:2017 金山町

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