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「赤井谷地」で観光誘客 天然記念物 湿地一望の山整備へ

大窪山から望む赤井谷地。ミズゴケなどの植生が見られる=28日午前
 会津若松市は市内湊町にある国指定天然記念物の湿原「赤井谷地」周辺に観光客を呼び込む検討を始めた。約70ヘクタールの湿地を一望できる大窪山(611メートル)に、数年かけて遊歩道や駐車場を整備する方針。立ち入り規制を解いて木道を配置する構想もある。古里の宝である自然の魅力を地域活性化に生かす。

 会津若松市東部の湊町に広がる赤井谷地にはミズゴケ、ツルコケモモなど貴重な亜寒帯植物が自生しており、1928(昭和3)年に国天然記念物となった。文化庁から指定を受けて湿原を管理している市は、西側に位置する大窪山から湿原全体を見渡せる環境を整えたい考えだ。
 山の麓付近に約1キロにわたって伸びる未舗装の作業道を遊歩道として整備する方向で検討している。観光客向け駐車場の設置も目指す。市は山の地権者と協議する準備を始めた。
 湿地の北側にある昭和天皇の歌碑を紹介する案内看板も設ける方針だ。
 一方、湿地の一般開放に向けては、植生の保護が大きな課題となる。ミズゴケは踏み付けると、簡単に枯れてしまうためだ。市は、生物学者らがメンバーとなっている赤井谷地保存管理指導会議に、湿地の一般開放が可能かどうか諮る。了承を得られれば、周辺部に木道を置く案などを文化庁と協議する。
 市湊町の人口は約1800人で、この60年ほどで約2700人減少した。2015(平成27)年に有志が湊地区地域活性化協議会を設けて歴史や自然を生かした地域づくりを進めており、地元から赤井谷地の観光面での活用を望む声が上がっていた。
 会津若松市の担当者は「国指定天然記念物の保護を慎重に検討した上で、観光面での活用の道を模索してきたい」と話している。湊地区地域活性化協議会の小桧山昭一会長は「地元の自然を大切に守りながら、観光振興も合わせて検討していく」との考えを示している。


※赤井谷地(あかいやち) 猪苗代湖の西岸北端から西に約1キロの場所に位置する。標高525メートルでミズゴケ、ツルコケモモ、ホロムイイチゴなど樺太(現サハリン)と共通する亜寒帯植物が自生している。約2万年前の氷期に北方系の植物が南下し残ったと考えられている。学術上価値が高く、1928(昭和3)年に国の天然記念物に指定された。湿地の現在の指定区域は約70ヘクタール。谷地の北側には昭和天皇が1962年の歌会始で詠まれた「雨晴れし 水苔原に 枯れ残る ほろむいいちご 見たるよろこび」の歌碑がある。昭和天皇は1961年と1984年の2回、赤井谷地を訪問された。

カテゴリー:2017 会津若松市

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