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震災の記憶 後世に 筑波大教授 白井哲哉さん 町の資料保全、研究

大学で震災関連の資料を大切に保管している白井教授
 筑波大教授の白井哲哉さん(55)は東日本大震災・東京電力福島第一原発事故の記憶と記録を後世に残すため、全町避難が続く双葉町の資料の保全と調査研究に取り組んでいる。「震災当時の貴重な資料を守り、伝えていきたい」と力を込める。

 東日本大震災で同大のある茨城県つくば市は、震度6弱の激しい揺れに襲われた。建物が損傷し、研究器具や資料も被害を受けた。文化財や資料の保護が気掛かりで、茨城大の教授とともに歴史文化を守る「茨城資料ネット」を立ち上げた。
 震災から1年が過ぎたころ、双葉町からの依頼を受け、つくば市に避難している町民を対象とした文化講座の講師を務めた。町が役場機能を埼玉県加須市からいわき市に移すに当たり、震災直後からの膨大な資料の扱いに職員が頭を抱えていることを知った。処分も検討される中、保全の協力を申し出た。
 2013(平成25)年、同大図書館情報メディア系は町教委と「震災関係資料の保全及び調査研究に関する覚書」を交わした。各種資料が加須市の旧騎西高から同大に運び込まれた。震災発生当日に避難所として利用した町内の施設の記録、避難先となったさいたまスーパーアリーナでの状況を記したノート、全国から届いた千羽鶴、励ましのメッセージ-。2年半に及ぶ記録を学生らと整理し分析を進めた。全国から届いた支援品などは1点ずつ撮影し、ウェブサイトで公開している。
 今年6月から12月にかけて台湾の国立台湾歴史博物館で、日本と台湾の地震の歴史を振り返る企画展が開催された。東日本大震災の記録として同大が保存する町の資料が初めて博物館に展示され、高い関心を集めた。
 双葉町の伊沢史朗町長は「協力の申し出がなければ、大切な遺産が失われていたかもしれない」と振り返る。「各地からの支援に対する感謝を伝えるためにも、展示などの需要があれば応じていきたい」と話した。
 白井さんは「資料は震災当時の町民の動きを示す貴重なもの。災害支援の在り方や記録を読み解くことで災害時の指針にもなる」と保全の重要性を説く。

カテゴリー:2017 双葉町

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