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ぬくもりの木工家具 長田哲史さん(兵庫出身) 児童園再利用し創作活動

山あいの工房でぬくもりを感じさせる家具を作る長田さん
 小野町に移り住んだ木工家具職人長田哲史(ながた・さとし)さん(44)=兵庫県加古川市出身=は、閉園した羽出庭つくし児童園を工房に再利用し、オリジナル家具を生み出している。小物セットは昨年から町のふるさと納税の返礼品に採用され、評判は上々だ。雪に埋まった山あいの工房で創作アイデアを温める日々だ。

 車で数分走ると、平田村に入るという山あいの集落に家具工房「KANADE WOOD WORKS(カナデ・ウッド・ワークス)」はある。かつて子どもたちの元気な声が響いた建物内は木の香りにあふれている。「子どもたちの夢を育んだ建物から使う人の心が和み、ホッとできるような製品を生み出したい」。屈託のない笑顔を浮かべた。
 天職と出合うまで、さまざまな地と職を転々とした。運送業、洋服販売、スープカレー店員...。生涯を懸ける職を探す中、ふとしたきっかけで家具作りと出合う。北海道北見市の専門学校で基礎技能を習得後、道内剣淵町の家具工房で腕を磨いた。2012(平成24)年8月、川内村にできた家具工房の工場長に就いた後、長年の夢だった独立を目指して退社した。
 工房を設けるならば、学校跡がいいと思っていた。その矢先、小野町が廃校を利活用する人を募っているとの話を耳にした。紹介された旧児童園はイメージにぴったり。何より親身に相談に応じてくれた町職員の対応が心に染みた。初めて訪れた地で触れた心の優しさに胸を打たれ、再出発の地に定めた。2015年4月に家具工房が誕生した。
 机や椅子、テレビボードなどの大型家具をはじめ、箸置きやコースター、鍋敷きなどの小物も手掛ける。町のふるさと納税の返礼品に採用された小物のセットは好評を得ている。目下、精力を傾けているのが、4月に町が開所させる「移住交流プラザ(仮称)」へ納入する家具だ。机や本棚など、使う人の表情を思い浮かべながら、のみやかんなを振るっている。
 昨年1月には町内菖蒲谷の空き家に引っ越した。近所にまき用の木材や牛小屋に敷くおがくずを配るなど地域にも溶け込み始めている。「この地をついのすみかにしたい。ようやく出合った安住の地で納得のゆく作品を作りたい」。人のぬくもりも家具に込めている。

カテゴリー:2018 小野町

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