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伝統の盆踊り つなぐ 復興支援員の佐藤亜紀さん

震災で途絶えた町の盆踊りを復活させたいと活動する佐藤さん
 大熊町復興支援員の佐藤亜紀さん(35)は、町で受け継がれてきた盆唄を集めている。歌詞や音色などは地区ごとに異なり、地域の特徴を色濃く反映した内容が多い。だが、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故による避難で伝承が困難となっている事例も少なくない。再び町内におはやしを響かせようと、情熱を注いでいる。

■盆唄収集に奔走

 「唄いあげます はばかりながらヨ 唄い損じは 御免なれョー」「どんとどんと鳴る勢は何処か あれは野上原の盆踊り」
 佐藤さんが作成したファイルには多彩な歌詞が収められている。昨年夏から本格的に収集を始め、これまでに5つの行政区の歌詞を集めた。町には20ほどの行政区があり、「さらに多くの歌詞を集めたい」と意気込む。
 千葉県成田市の出身。母が双葉町出身で幼い頃からたびたび母の実家を訪れていた。震災時は東京都内の法律事務所に勤務していた。時間の経過とともに「第二の古里」への思いが募る一方で、周囲では被災地への関心が薄れていく現実に思い悩んだ。退職して2014(平成26)年6月にちょうど募集をしていた大熊町復興支援員となった。避難している町民をつなぐ交流会などを企画している。
 バンドのボーカルとしてマイクを握っていた経験から音楽や伝統芸能に興味があり、避難後の民俗文化の継承に危機感を持った。
 盆踊りは町民に一番身近な文化-。町民の元を訪ねたり、避難先での盆踊りの輪に加わったりした。自ら担い手になれないかと、しの笛の演奏にもチャレンジした。
 いずれは盆唄の録音や踊りの録画にも活動範囲を広げたい考えで、「町内で行政区対抗の盆踊り大会ができればうれしい」と夢を膨らませている。
 専門家も活動に注目している。県文化財保護審議会委員の懸田弘訓さん(80)=福島民報出版文化賞専門委員=は「盆踊りは見よう見まねでつながってきた文化で地方色が出やすい。全てを集めるのはかなり難しいが、貴重な取り組みだ」と評価した。
 震災から間もなく7年。町民の高齢化が進み、収集活動に残された時間は多くないと感じている。佐藤さんは「『あの人が詳しい』など、ささいな情報でもよいので寄せてほしい」と呼び掛けている。情報提供先は佐藤さん 電話070(5581)5939へ。

カテゴリー:2018 大熊町

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