福島民報社は11日、福島市の民報ビルで秋田大教育文化学部・阿部昇教授の講演会「教育と新聞はどうかかわっていくのか-学力日本一・秋田からの報告」を開いた。阿部教授は「新聞は家庭の文化」との持論を展開し、子どもたちの思考力を高める教材として有効活用すべきと強調した。
プレ創刊120周年記念事業として展開している読む 知る 学ぶ「E!新聞」プロジェクトの1つで、みんぽう伝次郎クラブの主催。福島民報社の佐藤晴雄常務・編集主幹があいさつし、阿部教授の講演に入った。
阿部教授は来年度から本格的に導入される新学習指導要領に、新聞の活用が明記されたことを「画期的」と評価した。親が新聞を読む姿を子どもに見せるなど、幼少時から新聞に触れる環境づくりの大切さを説いた。
全国学力テストでトップクラスの成績が続く秋田県の教育の特徴も説明した。学校、家庭、地域の結び付きが強く、子どもたちが意見交換する学習も多いことなどを挙げた。
教育関係者や児童・生徒の保護者ら約300人が詰め掛けた。参加者からは学校現場での指導方法などについて質問が相次いだ。
■阿部教授講演要旨 親が新聞読む姿見せて 阿部教授が来社
新しい学習指導要領で新聞の活用が濃密に記され、日本中すべての子どもたちが新聞について学ぶことは国語教育にとって画期的なことだ。来年度から使われる教科書では、新聞の特徴を学んだり、記事を読み比べるなどの項目が出てくる。
PISA(ピザ)と呼ばれる2003年の国際テストで、日本の生徒の読解力が落ち込んだ。文部科学省はこうした課題を踏まえ、さまざまな情報を読み取って自分の意見を述べる力を養うには新聞が有効と判断した。今年の全国学力テストでも新聞そのものが問題として出された。
多様で多面的な情報が詰まった新聞は、思考力を育てるのに有効だ。親が新聞を読んでいる姿を見せ、「この記事面白いよ」などと声を掛ければ、子どもは自然と新聞が好きになる。新聞は「家庭の文化」といえる。
全国学力テストでトップクラスの成績を続けている秋田県では、家庭で「学校はいいものだ」と子どもに教え、さらに地域全体が学校を大事にする環境がある。学校では先生が一方的に話すのではなく、子どもたちが話し合うことを重視している。家庭学習ノートの有効活用、チームによる教員研修なども好成績の根底にあるだろう。
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