~ 磐梯朝日国立公園指定60年 ~ 美景 山と湖

  • Check

(28)<飯豊はるか> 安らぎの空間山小屋

【写真】月山、朝日、蔵王、吾妻など、切合小屋から見える雄大な山々を説明してくれる長谷川さん(左)と佐藤さん。

 信仰の山、飯豊にはかつて行程の区切りごとに小屋があった。今は避難小屋として必要な場所に存在する。本県側の川入(喜多方市)、弥平四郎(西会津町)から入ると、三国小屋にたどり着けばやれやれという気分。その先、切合(きりあわせ)か本山か、どの小屋まで行くかは自分の足と相談だ。切合は収容120人と規模が大きく、食事も出るため拠点にする人が多い。
 管理人は長谷川伸平さん(74)、佐藤正弘さん(52)=ともに喜多方市=の2人。長谷川さんは20歳の時から小屋を守っている。「父親も祖父も、多分その前からも代々携わってきた」という。
 昭和30年代半ばまでは丸太小屋だった。台風に屋根を飛ばされ泣いたこともあったが、当たり前のことを感謝され胸にジンと来たこともある。「ねんざで動けなくなり、3日ぐらい小屋で面倒を見た女子大生が、30数年たって仕事をリタイアしてから夫婦で来てくれた」。昔話に、日に焼けた顔から白い歯がこぼれた。
 本山小屋の高橋豊明さん(60)は管理人になりたくて喜多方市に移り住んだ。「白装束の信仰登山は無くなったが毎年お参りに来る人はいる。ウチは団体が入らないので、個人に伸び伸び過ごしてもらえるはず」という。
 「本山から御西岳、大日岳に至る道沿いは全国でも有数の花の名所。飯豊の本当の魅力を知らないまま帰らないで」というのは御西小屋管理人の松葉善治郎さん(73)=会津若松市=だ。
 それぞれの小屋番さんが聞かせてくれる飯豊の自慢話は尽きない。

  文  佐久間 順
 写真 丹治 次男


IP100813TAN000272000_00.jpg【写真・左】「花に興味の無かった男性も飯豊で花を見て感激する」と語る本山小屋の高橋さん









IP100813TAN000068000_00.jpg【写真・右】「わき水のおいしさには、みんなびっくりする」と自慢する御西小屋の松葉さん

~ 磐梯朝日国立公園指定60年 ~ 美景 山と湖の最新記事

>> 一覧