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(30)<飯豊はるか> 登山経験大きく成長

【写真】三国岳直前には難所の剣ケ峰がある。生徒たちは岩に手をつきながら懸命に登った。=山都公民館提供

 「御山(飯豊)掛けをしない者は一人前とみるな」。会津地方にかつてあった俗言だ。険しい山道を越えて、たどり着く飯豊登山は若者が大人の仲間入りをする「成人登山」の意味合いがあった。
 喜多方市山都公民館などは毎年夏、子どもたちの成長の機会として中学生による飯豊山チャレンジを行っている。今年は7月下旬、山中に2泊する日程で行われ、会津地方など各地の中学生の男女20人が挑んだ。
 山都中の鈴木悠平君(2年)、三瓶奈緒さん(1年)にとって、初めての飯豊登山だった。2人とも祖父母や父母らから飯豊に登った話を聞き、「自分も登ってみたい」と参加した。
 初日は川入登山口から切合(きりあわせ)小屋を目指した。「剣ケ峰がとても怖かった。でも近くのわき水は冷たくて、疲れていたけど生き返った」と鈴木君。三瓶さんも「ヒメサユリがきれいだった。切合小屋からの飯豊山の眺めは最高でした」と振り返った。
 2日目は雨音がする小屋で目を覚ました。飯豊山頂を目指したが、雨がひどくなり、ガスもかかって、目前の草履塚で引き返した。「飯豊山に登れなかったことが残念」「一瞬ガスが流れ、間近で見えた飯豊山に感激した」。山行は悔しさばかりではない何かを2人に残した。
 きつい坂は、参加者たちで励まし合った。ようやくたどり着いた小屋では笑顔があふれた。ほかの中学校の生徒との交流もあった。充実感と達成感に満たされ、2人は今あらためて思う。
 「いつの日か頂上まで登りたい」

  文 円谷 真路


IP100815TAN000109000_00.jpg【写真】雨の中、飯豊山目前の草履塚で記念写真に納まる参加者。ここから残念ながら切合小屋に引き返した。=山都公民館提供

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