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(31)<飯豊はるか> 豪雪の山残る原始性

【写真】飯豊山側から三国岳に連なる尾根の途中。東側に当たる左の斜面は樹木が少なく切り立っている。

 初夏に歩いた吾妻連峰の景色と、飯豊から見える景色は明らかに違う。吾妻では背の高いオオシラビソなどに視界が遮られる時間が長いが、飯豊の尾根には開放感がある。ガスがなければどこまでも続く山並みを見ながら歩くことができる。
 県環境アドバイザーで「飯豊山~万年雪とお花畑~」などの著書がある小荒井実さん(76)=喜多方市=によると「飯豊は豪雪の山。通常の山にある亜高山帯の針葉樹林帯が欠けている」のだという。
 豪雪は山の斜面も削る。三国岳から飯豊山に至る尾根では強い西風の影響で、雪は西斜面では吹き飛ばされるが、東斜面に吹きだまる。大量の雪は春、雪崩となって山肌を削る。このため西斜面は緩やかで東斜面が急な非対称な山となる。
 飯豊は全山が花こう岩でできている。飯豊山から御西岳に至る尾根は、もろい花こう岩が長年の風雪によって崩れ、なだらかに丸められている。草原には飯豊らしいお花畑が広がり、今ならタカネマツムシソウや飯豊の固有種であるイイデリンドウなどが盛りだ。チョウが舞い、ハチの羽音が辺りを覆う。
 小荒井さんは飯豊の魅力は人が容易に入れない故の原始性、豊かな花々、そしてまれな多雪による地形だという。昨年までは登ったが今年は「年も年。周りに迷惑を掛けては申し訳ない」と断念した。「元気に登れる皆さんがうらやましい」と飯豊への変わらぬ恋心を語った。

  文  佐久間 順
 写真 丹治 次男


IP100813TAN000223000_00.jpg【写真・左】タカネマツムシソウ












IP100813TAN000225000_00.jpg【写真・右】エゾオヤマリンドウ












IP100813TAN000222000_00.jpg【写真・左】イイデリンドウ












IP100813TAN000226000_00.jpg【写真・右】ウメバチソウ










IP100813TAN000224000_00.jpg【写真・左】ミヤマコゴメグサ


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