~ 磐梯朝日国立公園指定60年 ~ 美景 山と湖

  • Check

(32)<飯豊はるか> その風景に心奪われ

【写真】青空に映える御西岳、大日岳など飯豊の山並み。この光景に出合うため人々は山に入る。

 飯豊には1度足を踏み入れた人の心をつかまえて離さない魅力があふれる。
 喜多方市の山都町ガイド協会長の平野茂夫さん(62)はその一つに豊かな自然を挙げる。「四季折々に表情を変える山は美しい。飯豊に登ると自然に笑顔になっている自分に気付く」
 飯豊山信仰に詳しい喜多方市教委文化課長の小沢弘道さん(57)は「昔からずっと飯豊山は住民にとって身近な山であり、誇れる山でもある」と成人儀礼など住民とのかかわりを強調した。
 飯豊はいずれの登山口からも主脈に至るアプローチが長く厳しい。しかし、上がってしまえば飯豊山から御西岳に向かう尾根に代表されるように、穏やかな草原が広がる場所もある。
 春にはショウジョウバカマ、季節が進むに連れ、コバイケイソウ、ヒメサユリ、ニッコウキスゲ、アキノキリンソウなど多彩な花が登山客を迎える。夏でも雪解け直後の場所では春先に咲くチングルマを見ることができ、春と夏の風景が混ざり合う。同市山都総合支所教育課生涯学習係長の小林和之さん(48)は「きつい登りに耐えてこそ、見ることができる花々。その風景に会いたくて、また飯豊に登ってしまう」と目を細める。
 弥平四郎登山口から三国岳を目指す途中の疣岩(いぼいわ)山からは飯豊山、御西岳、最高峰の大日岳などのパノラマを望める。飯豊山岳会副会長の五十嵐恵美子さん(64)にとって大日岳は特別な山だ。「飯豊の象徴であり、行けば、はるか先に見える山容に誘い込まれるように歩が進む。雄大であり、偉大であり、とにかくスケールが大きい」。「天空の楽園」飯豊を愛する人々の心には、その光景が刻まれている。

  文  円谷 真路
 写真 丹治 次男

~ 磐梯朝日国立公園指定60年 ~ 美景 山と湖の最新記事

>> 一覧